2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K12400
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Research Institution | Gunma Prefectural Women's University |
Principal Investigator |
富岡 宏太 群馬県立女子大学, 文学部, 講師 (60802626)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 日本語史 / 文法 / 助詞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、古代語の終助詞の体系記述を目的とする。2年目の2019年度は、1年目に作成したデータを利用し、個別の助詞の意味や用法の記述を行なった。具体的には、中古和文資料における終助詞「な」および終助詞「や」の記述を行なったものである。 まず、終助詞「な」については、使用場面、統語面の両側面から、従来より一歩進んだ結果を導き出した。簡単にまとめると、「な」は「話し手の見解が妥当であることを確認する助詞」ということが明らかになった。この内容は、口頭発表を行ない、論文も掲載された。また、類似の用法を持つ、現代語の終助詞「ね」との相違点を明らかにした。こちらについても口頭発表を行ない、論文は投稿済みである。 終助詞「や」については、疑問を表す係助詞文末用法と、どのように区別するかを考え、いくつかの観点から両者を分けられることを指摘した。こちらは学内の研究誌に投稿、掲載された。 なお、終助詞「や」に関する記述は、もう一歩深める必要があるが、それを含めても概ね順調に進んでおり、3年目の2020年度は、助詞の体系記述に挑み始める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目の2019年度は、1年目に作成したデータを利用し、個別の助詞の意味や用法の記述を行なった。具体的には、中古和文資料における終助詞「な」および終助詞「や」の記述を行なったものである。 まず、終助詞「な」については、使用場面、統語面の両側面から、従来より一歩進んだ結果を導き出した。簡単にまとめると、「な」は「話し手の見解が妥当であることを確認する助詞」ということが明らかになった。この内容は、口頭発表を行ない、論文も掲載された。また、類似の用法を持つ、現代語の終助詞「ね」との相違点を明らかにした。こちらについても口頭発表を行ない、論文は投稿済みである。 終助詞「や」については、疑問を表す係助詞文末用法と、どのように区別するかを考え、いくつかの観点から両者を分けられることを指摘した。こちらは学内の研究誌に投稿、掲載された。 「や」に関しては、まだ検討の余地を残すものの、全体としては問題なく進んでおり、「おおむね順調に進んでいる」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目は、古代語終助詞の体系記述にうつる。前接する文のタイプや、前接語句の詳細といった統語的特徴、使用場面や談話中の出現頻度や出現順序といった観点から研究を進め、口頭発表や論文化を目指す。
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Causes of Carryover |
端数のため、翌年度の物品費として使用する。
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Research Products
(4 results)