2019 Fiscal Year Research-status Report
近代教育漢字字体資料から見た正字とその使用実態の研究
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18K12404
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Research Institution | Kyushu Women's University |
Principal Investigator |
山下 真里 九州女子大学, 人間科学部, 講師 (80756411)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 正字 / 俗字 / 近代教育漢字字体資料 / 異体字 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、①近代日本で規範的とされる字体(正字と俗字)を網羅的に明らかにすること、②近代日本で規範的とされる字体が正字と俗字の2つ存在した要因を明らかにすることである。 2019年度は、研究目的②を明らかにするために、手書きにおける規範的字体の使用実態を明らかにすることを目的として研究を行った。そのために、戦前までのポスターに使用されている字体の調査を行った。調査の結果、使用される字体は、正字あるいは俗字のどちらか一方であり、正字と俗字の両方が併用される字種はほとんど存在しないことが明らかになった(『国語学研究』59 2020年)。 また、研究目的②を明らかにするために、頻用される字体が俗字から正字へと変化した感じである「涼」(正字:涼、俗字:凉)について、正字の拡大が生じた時期を明らかにするための調査を開始した。具体的には、国立国会図書館のデジタルコレクションで公開されている資料を対象として、「涼(正字)」と「凉(俗字)」どちらの字体がどのような資料で使用されているのかという使用状況の調査を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究目的②の近代日本における規範的字体の併存要因の解明については、おおむね順調に進展しているが、研究目的①の近代日本における規範的字体を網羅的に明らかにすることについては、データベースの作成が計画よりも遅れているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
データベースの作成が遅れていることから、現在1台のパソコンで行ってる作業を2台に増やして作業スピードを上げるようにする。
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Causes of Carryover |
ヨミダス歴史館と毎索というデータベースの契約を予定していたが、どちらも契約ができなかったためである。この分の予算は、進展が遅れているデータベース作成のための人件費および、2人体制で作業を進めるための備品購入費とする予定である。
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Research Products
(2 results)