2020 Fiscal Year Research-status Report
Effects of Ultrasound Visual Feedback
Project/Area Number |
18K12411
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山根 典子 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (70319391)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アルトラサウンド / ビジュアルフィードバック / 超音波 / 英語 / 発音 / 舌 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人英語学習者がトラブル音ペア(日本語の音には区別の無い/r/と/l/など)を発音する際,区別の差が小さく舌の制御が困難なことが知られているが,アルトラサウンド(超音波)を用い,学習者自身が自分の舌の運動をリアルタイムで観察したビジュアルフィードバックを受けることで,調音の制御能力がどれほど向上するかを調査した。2020年度は,前年度に行った実験の口頭発表や関連する研究の報告をいくつか行った。[1]日本の大学生1年次生を対象として,英語の/r/と/l/の調音の差別化を目標とし,3週間の小グループ指導(90分程度を3回)を行ったが,語頭の子音の音響分析の結果,フォルマント値(F3)に顕著な変化があり基準値に近づいた。ポストテストにおいて舌の形状に大きな揺れが見られるようになった学習者もあったことから,正しい形状を習得する前の探究時期である可能性をアルトラサウンドの実験で示せるメリットも確認された。[2]語末の子音の音響分析が終了したが,語頭とは異なる習得パターンが観察された。[3]学習者の音声データ(プレ・ポスト)を元に今後行う予定の知覚評価実験について,研究打ち合わせを研究協力者と行った。[4]舌の動画資料が言語音声学習をサポートする生理学的根拠を示せるかどうかを検討するため,動画観察時の一次運動野興奮性を経頭蓋磁気刺激法(TMS)で測定する実験を行ったが,舌を観察学習することで,口唇支配運動野を制御する一次運動野が活性化することが確認された。[5]ディープラーニング技術を使用したビジュアルフィードバックのトレーニングシステムの開発に関して研究打ち合わせを研究協力者と行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
密室の防音室での録音が必要な実験であるが,コロナ状況のため実験の実行を自粛せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度、十分に行うことのできなかった(1)AIを取り入れた舌運動に関する研究を重点的に行うと同時に、(2)音声評価に関する問題を取り上げて研究を進める。(1)に関する今後の研究の推進方策として,具体的には、超音波映像で写りにくい舌位置(舌先,舌根)や運動(そり舌,弾音)や,時間軸上の変化の予測,またプローブの動きに合わせた角度修正に関するリサーチを行う。(2)に関する推進方策は以下の通りである。まず,客観評価(超音波映像評価と音響評価)のメリットや問題点を検討する。次に,主観評価(自己評価,英語話者による聴覚印象評価)を外観した後,客観評価との相関について検討する。
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Causes of Carryover |
コロナパンデミックのため,予定していた海外および国内の学会がオンライン開催となり,出張経費の支出が無くなったため。次年度はコロナの状況を鑑みつつ,評価テストのシステムや録音環境の整備に当てることを検討する。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] Relationship between Changes in Lip Motor Cortex Excitability and Phonetic Imitation Ability during Tongue Motion Video Observation2020
Author(s)
Tan, X., Tanaka, S., Tian, H., Funase, K. and Yamane, N
Organizer
Phonology Forum, Phonological Society of Japan, Online.
Int'l Joint Research
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[Presentation] Mirroring, Shadowing, and Gesture Alignment in Interlanguage English Speech2020
Author(s)
Yamane, N., Shinya, M., Teaman, B., and Fujimori, A
Organizer
Online Conference of Laboratory Phonology, University of British Columbia
Int'l Joint Research