2018 Fiscal Year Research-status Report
類義的な法副詞の形式と機能に関する実証的・理論的研究
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18K12416
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
鈴木 大介 摂南大学, 外国語学部, 講師 (90635393)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 副詞 / 類義語 / 機能 / コーパス / 類像性 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに(i) maybeとperhaps, (ii) conceivablyとperhapsといった各ペアにおける表現間の差異について、それぞれの語用論的機能との関連からその一端を明らかにしたが、本研究はこの一連の研究の延長線上に位置づけられる。とりわけ、本年度では、現代英語のコーパスを用いて、データ収集と事例観察を行い、実証的な研究を進めることに傾注した。具体的には、(a) コーパスを中心とした言語資料から法副詞の該当例を全て抽出し、一例一例に情報を付与しながら表現を比較することで、統計的に有意な要素を探ること、(b) 大量の複雑な言語データに潜む規則性や傾向を把握するために、多くの変数を扱う多変量解析を導入し、データの要約・整理を行うことを目指した。 分析対象の副詞として、doubtless, no doubt, undoubtedlyというdoubtに関連する副詞を扱った。これらは以前に分析を行ったものであるが、依然として(似通った)形式と機能の関係が解明されていない。この課題に対しては、分析項目を増やすこと、更には新しい説明の観点を導入することで、その分析を深化させることができるのである。具体的には①生起位置、②助動詞との共起関係、という従来の項目に加えて、③主語の定性、④主語の構造、⑤主語の語数の5つを取り上げ、それらとの関連で(a)の分析を行った。これらの項目はvariationの差異に関わるだけでなく、類像性の観点と密接に関連しているものと考えられる。(上述の(b)の分析は現在進行中である。) 以上の成果について、日本英文学会関西支部大会にて口頭発表を行った。今後、(a, b)をまとめて、国際学会やジャーナルにも投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コーパスから得られた一例一例に情報を付与しながら、doubtless, no doubt, undoubtedlyの三者間で比較を行った。その際、統計的に有意な要素を探ることで、各表現にどのような要因が影響を及ぼしているのか(各表現がどのような要因と密接に結びついているのか)という点を明らかにすることができた。 一方で、副詞全体に関係する普遍的な要因を特定すること、および他の副詞や肯定・否定に関わる類義表現間の分析へと研究を展開させることには至らなかった。全体との関連、より普遍的な(一般的な)要素を明らかにしていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の課題に対し、今後は、扱った要因間の相互作用を示しながらモデル化して視覚的に明示することを進めていく。その際、統計的手法を用いながら、各要因の影響の度合いを数値化して全体像を捉える。これらの分析により、要因間の関係、及び要因と副詞との関係を明らかにすることができる。最終的には、各副詞が他とどのように異なるのか、そして各副詞の意味(機能)が形式とどのように関係しているのか、という問いの解明に迫ることができればと考えている。
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Causes of Carryover |
旅費交通費の使用に際し、代表者の計算間違いのため、僅かながら13円が残ることとなった。小額なので次年度への影響はなく、旅費交通費や消耗品費に充てることを考えている。
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Research Products
(4 results)