2021 Fiscal Year Research-status Report
日本語学習者の補助動詞及び助詞の誤りに対する口頭訂正フィードバックの効果の検証
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18K12421
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
高橋 早千江 (菅生早千江) 目白大学, 外国語学部, 准教授 (30777876)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口頭訂正フィードバック / リキャスト / 第二言語習得 / 補助動詞 / 敬語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研費研究は、新型コロナ感染症による渡航禁止措置の影響を直接的に受けている。 2019年度(2020年3月)に、ポーランドにおいて日本語主専攻の学生を対象とした調査を実施予定であったが中止となり、2020年度(2021年3月)、2021年度(2022年3月)と、2年にわたって繰り越しすることとなった。新規の調査は凍結状態であるが、本年は本科研費研究初年次(2019年3月)の調査に基づき、2つの研究発表を行った。 まず、2021年8月に開催された第16回ヨーロッパ日本学研究協会(EAJS)大会と共同実施のAJE(ヨーロッパ日本語教師会)研究発表会において、ポスター発表を行い、また同協会が刊行する論文集に報告として投稿した(2022年5月に公開予定)。 次に、2022年3月に、ポーランドヤギェロン大学・アダムミツキェヴィッチ大学日本学科により共催された学科設立35周年記念国際研究会において、2019年3月の調査結果を踏まえたうえで、新規な観点から英語で研究発表を行った。同研究は本年下半期に投稿する予定である。 本科研費研究において計画している渡航を伴うデータ収集は、コロナに加えてロシアによるウクライナ侵攻問題も影響しており、実施の目途は立たない。対面でのデータ収集が前提であり、オンラインに切り替えて実施することに妥当性が示せるのかも研究領域全体が可能性を模索している状態である。その状況を把握しつつ、本研究で保留中の2つ目のデータ収集についての方法を今後も検討したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19収束の遅れに伴う渡航の制限により、調査計画が3年間凍結されている状態にある。 本科研費研究で計画した2つの渡航調査のうち、2つ目の計画であった2020年3月のポーランドでの調査が、渡航の禁止のため2年持ち越しとなり、まだ実施の目途は立たない。 この状況にあっても、初回の調査で確認した現象をもとに、コーパスで用例を収集し知見を報告する研究を実施することができた。渡航も、調査協力者と対面してデータ収集をすることも叶わないが、取り組める研究デザインを模索し、形にできたことは有意義だった。
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Strategy for Future Research Activity |
渡航調査計画が凍結されている間も、以下の2つの研究論文を執筆する。 1つは、2021年8月のEAJS国際大会における研究の方法論(刺激回想法)に焦点を当て、研究代表者が2015年に上梓した博士論文におけるレビューに加え、この7年間の研究を追加し、展望論文として投稿する。 2つ目は、コーパスによる母語話者の用例を踏まえた、対象とする言語項目の使用傾向の知見を、研究論文として投稿する。 さらに、凍結している渡航調査についても、実施タスクに検討を加え、調査が可能になった際には、速やかに精緻な調査を実施できるよう準備を整えておく。
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Causes of Carryover |
渡航調査の予定がコロナ禍により凍結・繰り越しされているため
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