2020 Fiscal Year Research-status Report
海外日本語補習授業校におけるリテラシー能力強化をめざす新たな日本語教育プログラム
Project/Area Number |
18K12423
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
加納 なおみ 國學院大學, 教育開発推進機構, 准教授 (20726880)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 補習授業校 / 多言語話者 / 日本語教育プログラム / 継承語教育 / カリキュラム / トランス・ランゲージング |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度2月以降急速に進行した新型コロナ感染拡大によって、海外渡航に関する大幅な移動制限が生じた結果、同年年度末に予定していた協力校(アメリカ東海岸の補習授業校)への訪問調査を断念した。当初、この訪問時に令和2年度以降の実施計画についての具体的な打ち合わせ及びデータ収集を予定しており、令和2年度はそれらに基づきカリキュラム整備を進める予定であった。しかし、コロナ禍では現地調査を再開する目処が立たなかったため、オンラインで調査を進めることができるよう、年度途中に全面的な計画の見直しを行なった。研究協力者である米国北東部日本語教師会のカルダー淑子氏とも協議を重ね、改めて、グローバル化の進展の中で多様化が進む補習授業校には現地の実情を反映し、時代の要請に応えるカリキュラムの提供が不可欠であることを確認した。そして、対象校を世界各地に広げ、トランス・ランゲージング教授法とも親和性が高く、多言語話者である日本語学習者に対し先進的・意欲的な取り組みを行なっている補習授業校に協力を呼びかけることにした。カルダー氏とはさらにプロジェクト全体について討議を続けており、現時点ではヨーロッパ、東アジア等に位置する複数の学校から協力を得られる見通しである。目下、地域性や対象者の属性、各学校の理念や教育上の特色などを考慮し、世界各地の現場のニーズに柔軟に応じることができるよう、最適化した形でカリキュラム提供を行うための方策を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年2月以降、急速に進行した新型コロナ感染拡大の影響から、同年年度末に予定していた北米の協力校への訪問調査は断念せざるを得なくなった。この訪問調査を前提としていた、令和2年度に実施予定だった研究計画は 大幅に見直す必要に迫られた。コロナ禍では現地調査を再開する目処が立たなかったため、オンラインで調査を進めることとし、調査対象校を含め、全面的に計画を変更する必要が生じた。この一連の変更により、調査の中断が生じ、計画に遅れが発生した。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍で調査方法を見直し、オンライン化を中心に実施計画を再検討した結果、研究計画全体を複数のカリキュラムから成るカリキュラム・プロジェクトと捉え直した。今後は協力校代表者らとより緊密に連携し、全体案を検討したうえで関連学会または研究会などでの口頭発表等を行う。さらに、ウェブサイトからの発信を中心に、補習授業校や継承語プログラムの教育現場に向けてカリキュラム例及び指導上の資料や関連情報を提供する準備を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大の影響で、海外における現地調査ができなくなり、旅費が発生しなかった。また、現地調査を前提とした研究計画を全面的に見直していた期間があり、事業計画と残り予算の使途が具体化するまでは科研費の使用を控えた。次年度はオンラインでの調査を中心とするため旅費は発生しないが、新たなデータ収集や整理、また公表に向けた準備等に人件費・謝金が生じる見込みである。
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