2018 Fiscal Year Research-status Report
「日本語学習者のための漢字学習方法・意識の調査票」の開発と多言語化
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18K12430
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
濱川 祐紀代 目白大学, 外国語学部, 准教授 (40725446)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 漢字学習 / 日本語教育 / 学習方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去に漢字の学習方法や学習意識に関する先行研究はなされてきているが,調査対象者に偏りがあること,現場に合わせた調査票であることから,その結果を一般化しづらい状況が続いてきた。そこで,本研究では,漢字学習研究の共通ツールとなる調査票「漢字学習の方法やそこに付随する意識を概観できるような質問紙調査票」を開発し,「日本語教育分野における漢字学習」に携わる実践者・研究者に提供することを目的としている。 平成30年度(2018年度)は,まず,①漢字学習方法や意識に関する先行研究レビューをし,特に漢字学習ストラテジー及び漢字学習意識に関する調査票を確認した。次に,②過去に作成された調査票を修正し,バンコク(タイ)にある2つの大学で調査を行った。その結果をタイ国日本語教育研究会年次セミナー(タイ全国の日本語教師が集まる教師会)で発表し,協力校の募集や試行の可能性について伺った。また,③先行研究レビューをする中で,これまでの漢字学習意識の調査票が機能していたのかを確認する必要があると感じ,インタビュー調査を行った。その結果はCAJLE (カナダ日本語教育振興会)2018 年次大会(於カナダ・オンタリオ州ロンドン市ヒューロン大学)でポスター形式で発表した。さらに,④先行研究レビューをする中で,「近年の特徴」「スマホネイティブ世代の学習の特徴」が含まれていないことが懸念された。そこで,外国人日本語学習者に広く調査を行い,どのようなデジタルツールを利用しているかを確認した。この結果は書籍(分担執筆)として2019年度中に公開される予定である。 平成30年度は主に調査票の不備や修正に必要な内容を検討することを行ってきた。また協力校や協力してくださる先生方とのネットワーク作りも行ってきた。今後は実際に調査を行い,専門家とも相談しながらよりよい調査票となるよう研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度においてはおおむね順調に進められた。その理由は,先行研究における調査票について確認ができ,①調査票の不備を検討,②調査の試行,③調査協力機関の募集などと進めることができたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は調査の試行と改善を行う。調査票の信頼性・妥当性を担保できるよう,質問紙調査票の作成や統計に詳しい専門家と協力し,修正版を作成する。さらにその結果を公表(論文投稿/発表応募)する予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年度に専門家への相談とそれに伴う謝金を予定していたが,専門家の都合から依頼に留まり,具体的な相談は平成31年度に繰り越しとなった。そのため,「人件費・謝金」が実行されず,次年度使用となった。
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