2018 Fiscal Year Research-status Report
インフォームド・アセスメントに基づく評価基準提示の効果:日本語要約課題を中心に
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18K12443
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
高木 修一 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (20707773)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 評価基準 / 日本語要約課題 / 英文読解 / 学習者要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の目的は,日本語要約課題の評価基準を策定することであった。具体的には,要約課題を用いた先行研究の知見を統合して評価基準の枠組みを構築し,日本人大学生から収集した日本語要約課題のデータを用いて実証的に評価基準の検討を行うことを計画していた。本年度の研究実績は大きく2つに分けられる。1点目は評価基準の策定に関する研究,2点目は関連した研究の進捗である。まず,1点目についてである。要約課題を用いた先行研究で使用されている評価基準の精査を行った。その上で,日本人大学生を対象として英文の日本語要約課題を実施し,70名程度のデータを収集した。その際,英文の日本語要約に加え,日本文の日本語要約,そして英文の英語要約についても併せてデータを収集した。この理由として,本研究が焦点を当てる英文の日本語要約に特徴的なパフォーマンスを検証することが可能になるためである。しかし,評価基準の枠組みを構築する際,本研究の基盤となる自身が過去に実施した研究 (髙木, 2018) について,その研究には手法上の問題があることが明らかになったため,適切な研究手法を用いて再調査を行うこととした。当該調査の結果については,国際学会への発表申込を行っている。また,過去に実施した,日本人英語学習者の日本語要約の経験と日本語要約のパフォーマンスの関連性について実施した調査結果の論文執筆を進めており,次年度中に投稿を行う予定である。次に,2点目の関連した研究の進捗についてである。本年度は第二言語読解不安に関する研究を中心に,読解における学習者要因に焦点を当てた研究を遂行した。本研究の最終目的は学習者への効果的なフィードバックを目指すことであるため,読解における学習者要因の検討は,今後の研究に寄与するものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」に記述した通り,本研究が基盤とする自身の過去の研究に手法的な問題点が発見されたため,その研究の再調査を優先することとなった。ただし,再調査の進捗も順調であり,本年度実施予定であったデータの収集までは完了している。また,当初の計画時点でも2年目~3年目には進捗状況に応じて調整可能なものにしていたため,現時点の遅延については修正可能であると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの研究の進捗状況」に記述した通り,研究の進捗に若干の遅れはみられるが,研究計画の変更が必要な状況ではないため,当初の研究計画に沿った研究の遂行を行っていく。また,本研究の推進方策として,現在は本研究テーマと関連した研究テーマ(要約課題のパフォーマンスに関する研究)を扱っている研究者との討議を進めており,特に評価基準の策定に関して研究の推進が期待される。
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Causes of Carryover |
「現在までの進捗状況」に記述した通り,本研究の基盤となる自身の過去の研究に手法的な問題があることが明らかになったため,研究の進捗に遅れが生じた。それに伴い,評価者に対する謝金等で残額が生じた。次年度は今年度実施予定であった研究の進捗と併せ, 再調査の研究成果の報告のための費用として使用する予定である。
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Research Products
(6 results)