2020 Fiscal Year Research-status Report
インフォームド・アセスメントに基づく評価基準提示の効果:日本語要約課題を中心に
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18K12443
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
高木 修一 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (20707773)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リーディング / 言語テスト / 要約課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の目的は,2年目と3年目に実施予定であった英文の日本語要約課題の評価基準の妥当化を行うこと,そしてその評価基準の提示が日本人英語学習者の短期的なパフォーマンスに与える影響を検証することであった。しかし,本年度の進捗としては新型コロナウイルスの影響により本課題へのエフォートが小さくなり,また,予定していた実験調査ができなかったことから,予定していた内容の変更を余儀なくされた。本年度に実施したこととしては,日本人大学生から収集していた3種類の要約課題のデータ(日本文日本語要約課題,英文日本語要約課題,英文英語要約課題)について多相ラッシュ分析を行った。さらに,各課題から推定された協力者の能力値の相関分析なども行い,実験結果の解釈と考察を進めた。今後も引き続き質的分析を進めていくことを予定している。また,当初実施予定であった研究について,コロナ禍でも実施可能な実験デザインの検討を行った。しかしながら,評価基準提示の影響を検証する実験をオンラインで一斉に実施することは,研究の妥当性の観点から限界点が大きくなりすぎるという結論に達した。そのため,所属大学のガイドライン等を参考に,感染対策に留意した上で対面で実施する方策を引き続き検討していきたいと考えている。その一方で,関連した研究の遂行として,昨年度に引き続き,日本人大学生を対象とした第二言語読解不安に関する研究を進め,論文投稿を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスに伴い,実験の実施が不可能であったことが最大の理由である。実験データに基づく実証研究であることから,実験が実施できないと当初計画していたような研究を進捗させることは不可能である。また,遠隔授業への対応や学内業務での負担が増加したことから,本課題に配分するエフォートが小さくなったことも理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは,考察を進めている実験データを論文としてまとめ公表を目指す。また,コロナ禍の沈静化まではしばらく時間がかかる可能性が高いことから,必要に応じて,本研究課題について一定の総括ができるような研究計画に修正することを検討する。具体的には実験の伴わないメタ分析を方法論として採用し、要約研究やインフォームド・アセスメントに関する先行研究の効果量を統合することなども視野に入れている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍に伴って研究発表および情報収集のために予定していた学会参加ができず旅費の支出がなくなったこと、そして、実験が実施できなかったことで関連する諸費用の支出がなくなったことが原因である。また、現時点ではコロナ禍が終息する兆しが見えないため使用計画については流動的であるが、現時点で手元にあるデータ分析とその結果を論文として発表するための諸費用に充てたいと考えている。
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