2021 Fiscal Year Research-status Report
音声コーパスを用いた英語学習者の発話リズム評価指標の比較検討
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18K12447
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
天野 修一 広島大学, 外国語教育研究センター, 講師 (70734177)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リズム / 学習者 / 音声 / 第一言語 / 第二言語 / 指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
四年目もコロナ禍による勤務先の授業のオンライン化やそれに付随する諸々の業務のためにほとんど前までの成果と変わるところがなかった。これまでには、文献研究を通じて以下の議論の整理を行うことができている。つまり、言語リズムの研究が第一言語のリズム分類の研究であったものが、その後いかにして第二言語の研究に結びついていったのかということである。具体的に述べると、そのきっかけは20世紀終盤に複数の"interval measure"が提案されたことにある。それらの組み合わせにより、強勢拍リズムと音節拍リズムの区別を捉えることができると考えられた。その後、多くの研究がその主張の妥当性を検証し、その過程でさらに多くの指標が提案された。これらのリズム指標の提案以降、言語間あるいは言語内変種間のリズムの違いを、それらの様々な組み合わせによって検証した研究が数多く発表された。そのような流れの中で、同一言語のL1とL2の違いの検証にも活用されるようになった。これらの研究は単にL2への応用であるだけでなく、リズム指標そのものの改善点を浮き彫りにするなどの貢献もあった。L1の言語リズム類型論は、このような過程を経てL2リズムの研究へと結びついていった。最終年度となる次年度はこの知見を活かし未完了の分析を進めることを目指す。前年度までに複数の学会が主催したワークショップ等に参加し、情報の収集と新しい技術、測定法、統計処理について学ぶことはできている。それらを活かして分析を実際に行い、その成果を発表するというのがこれから成すべきことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
四年目も、コロナ禍による勤務先の授業のオンライン化および脱オンライン化とそれに伴う様々な追加業務のため、予定していた研究をほとんど行うことができなかった。最終年度となる今年はすでに実施準備が整っている分析作業を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
遂行年数を再び延長させていただくことができたので、コロナ禍がなければすでに実施している予定だった作業を進める。具体的には、これまでにまとめた部分の発表を9月に予定しており、執筆にはすでに取り組んでいる。終了していない分析に関しては夏休みを中心に鋭意進行し、なるべく早く研究発表を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、新型コロナウイルスの影響で予定していた分析作業と学会発表が行えなかったことが理由である。使用計画としては、9月に研究発表をする予定となっているため、その旅費や参加費、旅費費に用いる予定である。
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