2019 Fiscal Year Research-status Report
Development and validation of an organic collaboration model among teacher, student, and ICT for promoting academic writing education
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18K12454
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
渡 寛法 滋賀県立大学, 全学共通教育推進機構, 特任准教授 (20732960)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 英語教育 / EAP / アカデミックライティング / ルーブリック / 自己効力感 / 内発的価値 / 調整 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大学英語教育における学習者のアカデミック・ライティング技能の育成にむけた、教師によるフィードバック・学生同士のフィードバック・ICTによるフィードバックの有機的連携モデルを構築し、その効果検証を行うことを目的としている。 2019年度は、研究計画の第2段階として、アカデミックライティングにおける効果的なフィードバック方法や、学習者の自律的学習態度とパフォーマンスの関係についての研究を行った。 フィードバックについては、既存のアカデミックライティング教科書を収集し、どのようなタイプのタスクや活動、ルーブリックが用いられているのかを横断的に分析した。国内で出版されている教科書には、ピアフィードバックやライティング評価ルーブリックが限定的であり、発展の余地があることがわかった。 学習者にとって効果的なフィードバックとは何かを明らかにするため、自律的学習態度の育成に着目し、自己効力感・内発的価値・自己調整とパフォーマンスに関するアンケート調査を実施した。自律的学習態度の上位群は、下位群よりも有意にパフォーマンスが伸びること、パフォーマンスに対しては三要素のうちとくに「自己効力感」が正の影響を与えていることが明らかになった。今回の調査結果からは、苦手意識をもつ大学生を指導し、パフォーマンスを伸ばすためには、まず「自己効力感」を上げるような指導、授業づくりが有効であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は効果的なライティング指導法の確立に向けて、既存の教材分析、および学習者の学習態度に関するアンケート調査を行う予定であったが、おおむね順調に遂行することができた。大学のアカデミックライティング授業で用いられている教科書を横断的に分析することで、ルーブリックの活用や、リーディングとの連携といった課題も明らかにすることができた。2019年度は、調査結果をもとに国内外の学会で発表を行うこともできた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2020年度は、前年度行った教材分析および、学習者の学習態度に関する調査結果をもとに、ライティングにおける効果的なフィードバックに関する検証調査を行う。 フィードバックの種類やタイミングによる、学習者の文章力向上への効果や、学習態度への影響を分析する。大学アカデミックライティング教育における効果的なフィードバックの具体的な指導内容や方法の提案も行う。また、研究成果を国内外の学会で発表し、投稿論文にまとめる。
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Causes of Carryover |
2018年度の繰り越し金が残った。2020年度は、アカデミックライティングに関して学生参加者による調査を行う予定なので、調査費用に使用したい。
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Research Products
(2 results)