2018 Fiscal Year Research-status Report
第二外国語スペイン語の語彙・表現学習のための反転授業用動画教材に関する研究
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18K12461
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
中島 さやか 上智大学, 言語教育研究センター, 講師 (40757043)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 外国語教育 / 動画教材 / スペイン語 / 学習効果 / e-learning / 反転授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
大学の第二外国語を中心とするスペイン語教育の大きなテーマの一つである、基礎的な語彙や表現の理解・習得の不足に関する問題を緩和するため、文字や説明の情報をコントロールした理解しやすく印象に残りやすいスマートフォン向けの映像学習補助教材を開発し、導入や復習の在り方も含めて使い方を検討し、開発した教材および学習モデルを共有を目的とする活動を行った。 教材開発・研究に関しては、1.外国語の映像教材開発に関する資料収集 2.海外のスペイン語教育の専門家のアドバイスを受け意見交換を行う 3.日本語母語話者にとって説明のみでは理解するのが難しい傾向にある表現を選び、それを効果的に習得できるようにするための映像教材を開発する 4.作成した教材を授業で用い、学習効果に関して学習者にアンケート調査を実施する 5.教材の利点や難点を含む調査の結果をアンケートを実施した大学の紀要で報告する 6.学生からのフィードバック、他の教員からアドバイスを受けて作り直した教材をインターネット上で一般公開する といった活動を2018年度に行った。 開発した教材は学習者に理解しやすいと好評で学習上の効果が期待できると考えられるが、一方で教員側の意図が受け手である学習者にうまく伝わらなかった部分もあり、また開発コストや手間、著作権の問題等を含む映像の教材開発が持つ様々な具体的な問題点を明らかになった。現在は初年度の経験から培った問題意識や反省点を元に、教材開発の作業を引き続き行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
資料収集、そして学生がスマートフォンからアクセスできる映像教材を作り、実際にそれを使って効果を検証し、フィードバックを得た上で改善した教材をインターネット上で公開する、という一連の流れを作るところまでは予定通りに行うことができた。 しかし、プロジェクトをスタートした時点では選定済みであった表現に関して、専門家のアドバイスを受けた結果、取り上げる表現や効果的な紹介の仕方など様々な点において軌道修正する必要が出てきた。また、映像教材の制作が想定していた以上に困難であり、教員側の意図が学習者にうまく伝わらなくて何度も修正したり、教材に適していると思われ、インターネット上で無料で使用可能とされているイラストや写真の中にも著作権の問題が疑わしいものあったことなどから、最終的にオリジナルの素材を発注したケースが出るなど、教材開発に予定以上のコストと時間がかかってしまった。結果として初年度に制作できた映像の数が当初の予定を下回り、結果として研究成果の公表も予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は2018年度に明らかになった教材開発の様々な問題点を踏まえた上で、イラストや写真・映像など外注しないと行えない、あるいは著作権上の問題からオリジナルを外注したほうがよい作業により多くの予算をあてるようにし、消耗品や機材の購入・研究者自身が行うことができる作業に関する出費を可能な限り抑え、予算の配分を見直した上で作業を行う。また、専門家のアドバイスを受けたり、学習者のアンケート調査などに基づく検証の作業は継続する。今年度は成果を研究会や学会で公表することを目標として活動を続けていくことに加え、教材を公表するホームページには開発した映像教材のみならず、使い方の例を含んだ形で載せることで学習モデルを提案できる形にし内容の充実をはかっていく。
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Research Products
(1 results)