2019 Fiscal Year Research-status Report
最適な英文法学習スケジュールの特定:文法知識の種類と適性の役割に焦点を当てて
Project/Area Number |
18K12470
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
鈴木 祐一 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (10756563)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 第二言語習得 / 文法習得 / スピーキング練習 / プラクティス / 練習間隔 / 個人差 |
Outline of Annual Research Achievements |
教室での限られた学習時間で、いかにして効率的に英語コミュニケーション能力を支える文法知識を身につけさせるか。この問題に対処するための一つの方策として、最も効果的な英語学習のスケジュールを特定することが有効であると考えられる。学習時間を変えることなしに、学習の間隔を調整することで、最適な学習条件を作る出すことができる可能性があるからである。 2019年度は、前年度に実施した英語スピーキング練習を通じた文法習得に関する実験の分析を行った。日本人英語学習者60名を対象として、同じスピーキングタスクを1日にまとめて練習するという「集中学習群」と1日ごとに間隔を空けて練習する「分散学習群」に分けて、学習スケジュールの効果を調べた結果、「集中学習群」の方が「分散学習群」に比べて、文法の自動化に寄与することが明らかになってた。その研究成果は、国際学会International Conference on Task-Based Language Teaching や国内での学会発表および、Temple University Japan, Education University of Hong Kong, 奈良教育大学などの国内外において招待講義・講演などで発表した。現在は、研究データの一部を論文としてまとめ上げ、国際誌へ提出した。査読者の評価は概ね高く、採択される見込みが高い。また、個人差要因や発話時の注意に関する影響についても分析も行い、記憶の個人差によって、練習効果に違いが見られることが明らかになった。現在、この結果を新たな論文として報告するために原稿を執筆中である。さらに、他の文法習得に関する実証研究も国際学術誌で採択されてきており、研究成果を蓄積することができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度では、英語スピーキング練習に焦点を当てて、どのような間隔を空けて学習を行えば、文法処理が素早くなるかということを実証的に検証した。この実験を遂行するにあたり、実験実施に必要なコンピュータやソフトウェア、および実験の素材を準備した。同時に実験協力者と実験補助者を確保し、その謝金を補助金から支払いした。更に、実験協力者から収集した英語発話の音声データの分析を様々な観点から分析している。2019年度8月には、国際学会で研究成果を発表し、現在国際学術誌へ投稿している段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
2018-2019年度に行った研究から得られた結果をもとに、以下のようなステップで、今後の研究活動を進めていく。
①実験で集めた英語発話データを音声分析ソフトウェアを使い、様々な観点から分析を行う。 ②結果の解釈と関連文献の調査を行う。 ③国際学術誌へ提出する英語論文を完成させて投稿する。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で海外学会発表が1件キャンセルになってしまったなどの理由のため、次年度使用額が生じてしまった。次年度は、データ分析や英文校正など研究成果物としてまとめるために計画的に予算を使用していく。
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