2019 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of test conditions on foreign language reading anxiety
Project/Area Number |
18K12472
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
三上 仁志 中部大学, 人文学部, 講師 (90770008)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 外国語読解不安 / テスト不安 / テスト条件 / 外国語読解テスト |
Outline of Annual Research Achievements |
前年(2018年)の研究プロジェクトを進める中で,解決を要する課題が,2つ浮上した:A)読解不安を測定する尺度は複数存在するが,それぞれの尺度が,同じ構成概念を測るものかどうかが,明示的に示されていない,B)テスト不安と読解不安が,同様の構成概念であるか否かが,検証されていない。上記のA)は,不安とテスト成績の関係性が,使用する尺度次第で変化する可能性を示している。またB)は,読解不安とテスト不安が異なる構成概念である場合,FL読解研究における不安の捉え方を再考する必要があることを示している。以上の理由から,本研究は,不安とFL読解テスト成績の関係を検証する上で重要性の高い課題A)とB)の解決を目指すこととした。 また,研究プロジェクト開始当初の研究テーマについては,インタビュー調査を通して,FL読解テストで生じる不安の変動に影響する要因と不安緩和の方法を探索することとした(課題C)。 研究成果1)課題A)およびB)について,次の結論を得た:①主要な読解不安尺度は,それぞれ異なる構成概念を測定しており,そのため,研究目的に応じた使い分けが必要である、②読解不安とテスト不安は,別の構成概念として扱われる必要がある。 研究成果2)課題C)について,次の結果を得た。第一に,学習者がテスト結果に対して感じる主観的な価値が高い場合は,テスト状況での不安も高まる傾向が見られた。第二に,テストの結果が教師やクラスメイトなどに評価される状況で,不安は,高まる傾向が見られた。第三に,何らかの方法でテストでの失敗を取り戻せる場合,不安は,高まりにくくなる傾向が見られた。第四に,主観的難度の高い課題において使用可能な方略の数が多い学生は,そうでない学生と比べ,テスト場面でも不安になりにくい傾向が見られた。
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