2019 Fiscal Year Research-status Report
第3言語としてのスペイン語学習意欲における英語学習経験の影響の解明と指導法の提案
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18K12475
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
横山 友里 立命館大学, 言語教育センター, 嘱託講師 (80778944)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | スペイン語教育 / 第三言語 / 学習意欲 |
Outline of Annual Research Achievements |
スペイン語学習と英語学習の特徴に関する縦断研究を行うため、研究1年目に引き続きデータ収集を行った。分析結果に共通した特徴が見られたため、その特徴を踏まえてインタビュー調査を行なった。得られた結果をポルトガルで開催された国際学会Congreso Internacional de ASELEで発表した。発表内容は、日本の大学におけるスペイン語学習者の過去の英語学習の影響を以下の点から報告したものである。 スペイン語学習初期では学習者はIdeal L2 Selfに従って積極的に取り組むが、段々とpreventionの枠内での単位のためだけの学習に変化してしまう。その枠内から出るためには、学習内容が将来どのように有効かという示唆や文化に触れる経験などが有効であり、culture interestの視点が重要になる。 またスペイン語は英語よりも将来性で劣っていると学習者は考えているが、それが必ずしも学習時間の低下には繋がらない。学習者の中にはスペイン語は皆が初心者であるため、少しの努力で高得点を取ることができるなどの理由からスペイン語の試験勉強に注力して良い成績をとり将来へ活かすという姿勢、つまり「promocion retorcida:ねじれたpromotion」の存在が示唆された。 この発表の成果をVolumen Tematico ASELE 2020に投稿した。 また、これらの結果を踏まえ、学習者の学習意欲を高める教育方法としてタスクを重視した指導法の研究を行なった。文献や研究会参加を通して知見を深めるとともに教材作成に取り組み、成果をカナダで行われたInternational Conference on Task-Based Language Teachingにて共同発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画的にデータ分析や研究を進め、国際学会での発表や論文執筆を行うことができたが、より詳細にインタビューを行う必要性が生じ、それらの調整や一連の分析が遅れている。しかし、そのインタビュー調査から新しい示唆を得ることができたため、これらの遅れは今後解消していくと思われる。 一方、学習意欲を向上させるための教育方法の1つとして分析を重ねているタスクを重視した指導法(TBLT)に関しては教材作成まで順調に準備が進んでおり、今後これらの教材を使用して検証を行う段階への準備が今後必要となる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究が進んできた、過去の英語学習経験がスペイン語学習意欲に及ぼす影響について、これらを実際の教育場面にどのように応用するかを今年度は軸に進めていく予定であったが、新型コロナウイルスの蔓延に伴い春学期が全てWeb授業になってしまい、対応が難しい状態になっている。 その他、効果的な教育方法として考えられるタスクを重視した指導法と語用論的観点から見た指導法の2つに関して、実際の学習者のインタビュー調査や、授業での効果検証について取り組む予定である。
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Research Products
(2 results)