2021 Fiscal Year Research-status Report
第3言語としてのスペイン語学習意欲における英語学習経験の影響の解明と指導法の提案
Project/Area Number |
18K12475
|
Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
横山 友里 中京大学, グローバル教育センター, 外国語嘱託講師 (80778944)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | スペイン語 / 学習意欲 / タスクを重視した指導法 / 第三言語 |
Outline of Annual Research Achievements |
過年度に行った分析の結果を国際学会で発表した。スペイン語学習と英語学習で特徴的な傾向を示した学習者へのインタビューデータを、英語以外の言語学習と英語学習のモチベーションを考察したSugita McEown, Sawaki and Harada (2017)の結果と対比させ、類似点、相違点を明らかにしたものである。 発表では、英語の重要性を示す社会政治的な要因がスペイン語学習者の自己とアイデンティティに影響を与えること、国際志向性を持つ学生は様々な言語への興味があるが、英語の優位性は存在していること、英語における内発的な動機づけや社会政治的な要因はスペイン語などの第3言語における統合的動機付けの志向性を低下させること、強い統合的動機付けの志向を育む経験は、こうした社会的・政治的要因を超えて、L3における内発的動機づけと理想自己(Ideal L2 Self)を生み出すことができること、一方、内発的動機づけやIdeal L2 Selfを変化させるためには、必ずしもこのような強い統合的動機付けの経験が不可欠なのではなく、その他にも、ロールモデルや学習における満足感なども、モチベーションやIdeal L2 Selfに同じような変化をもたらすことが可能であることが明らかになった。これらの結果は論文にもまとめられ、投稿されている。 加えて、英語の影響を踏まえた学習者の意欲を高める指導方法として、タスクを重視した指導法(TBLT:Task-based language teaching)の教材作成を行い、前年度に出版されたタスクを重視した指導法の概説と教材を掲載した図書の内容に基づいた教科書が出版された。また、このタスクを重視した指導法をもとに行ったスペイン語の授業の参加者を対象に、授業参加前後の情意的側面の変化を考察することを目的としてアンケート調査とインタビュー調査を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度にアンケート、インタビュー調査を行う予定であった授業が、新型コロナウイルス感染症によりオンライン授業に変更になった。そのため、予定していたスケジュール、内容で調査を行うことができず、変更を余儀なくされた。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度に出版されたタスクを重視した指導法を基にした教科書は英語の内容に基づくものであるため、それらをスペイン語の授業においても活用するために整備すること、また上述のアンケート調査とインタビュー調査の分析を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症蔓延の影響により、当初計画していた調査が十分に行えなかったこと、また参加を予定していた国際学会がオンライン開催になったことから次年度使用額が生じている。
|
Research Products
(3 results)