2018 Fiscal Year Research-status Report
教師・学習者のための韓国語タスク別書き言葉コーパスの構築
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18K12478
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
小島 大輝 近畿大学, 文芸学部, 講師 (20712178)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 韓国語 / 書き言葉 / メール文 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,韓国語母語話者及び日本語を母語とする韓国語学習者を対象に,それぞれメールを作成するタスクを課し,得られたデータを電子テキスト化したタスク別書き言葉コーパスを構築するとともに,韓国語母語話者と学習者の両データを比較・分析することで,特定のメールがどのような表現・語彙によって書かれるのか,その実態を明らかにしつつ,より高度な言語運用を可能とするための韓国語教育への基礎的資料の提供に資することを目的としている. 今年度は,日本国内での調査を主に行った.調査では,日本国内の大学に留学している韓国語母語話者に調査への協力を依頼し,調査協力者らに対して6つの依頼メールタスクを課すことでデータを収集した.調査協力者がメールを作成する際にはノートパソコンを用い,こちらであらかじめ作成しておいたテンプレートに直接入力するというかたちをとった.得られた電子データは分析に用いるために,個人に関わる情報などはすべて加工し,調査協力者が特定されないようにする作業を行った.今のところ,得られたデータは日本語教育分野における研究を参考にしながら,メールの展開をはじめ,韓国語母語話者が書くメールにはどのような機能的要素が用いられているのか,そして,依頼する際に用いられている表現と語彙にはどのような特徴があるのか,などを中心に調べている.また,依頼をする際に文中で共起しやすい語が何であるかを,テキストマイニングによって記述することを試みている.これにより,特定の動詞と語尾だけでなく,共起しやすい副詞なども徐々に明らかになりつつある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本国内の韓国語母語話者のデータを収集し,得られたデータの半数程は分析するための加工を終えることができた.また,日本国内の日本語母語話者(韓国語学習者)のデータ収集にも着手したところである.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続き,日本国内の韓国語母語話者のデータ収集及び整理,日本国内の日本語母語話者(韓国語学習者)のデータ収集を行う予定である.また,韓国国内のデータ収集についても協力を得られる可能性が見えてきたため,相手先大学と連携をとって調査を実施したいと考えている.
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Causes of Carryover |
調査の協力者と日程調整をする過程でスケジュールにやや難が生じたことから,予定していた調査を次年度に延期することにしたため.次年度は主に当該調査のための旅費と調査協力者に支払う謝金等に充てる予定である.
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