2021 Fiscal Year Research-status Report
Hidemaro Konoye's Role in Dissemination of Japanese Culture and International Music Exchange in Prewar Japan
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18K12508
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Research Institution | Odawara Junior College |
Principal Investigator |
三枝 まり 小田原短期大学, その他部局等, 専任講師 (10584211)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 近衞秀麿 / 文化交流 / 近代日本史 / アーカイヴ / 指揮 / 音楽と政治 / 音楽と社会 / 音楽学 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究業績の概要】 令和3年度は主に以下のトピックについて研究を進めた。 1.ドイツ連邦公文書館に所蔵されているベルリン独日協会と近衞秀麿の関連が多く見られる資料について、資料の概要を主に近衞秀麿の音楽活動という観点からリスト化した。内訳は手紙494点、新聞切り抜き331点、タイプ文書220点、手書きメモ151点、タイプメモ54点、電報35点、印刷物24点、写真5点、書類3点、封筒2点、白紙の見出し1点の計1320点である。2.上記以外の海外に残る近衞秀麿に関連する資料を調査、収集した。対象は、オーストリア国立図書館、ユダヤ人歴史センター、ケベック国立図書館・文書館、ニュージーランド国立図書館の資料である。3.近衞秀麿編曲《君が代》を出版した。当初の研究計画では、演奏用貸し出し楽譜を制作する予定であったが、広く一般の利用に供するため、約70年ぶりに復刊することできた。宮内庁式部職楽部の協力を得て調査を行い、資料、編曲の経緯、演奏記録、録音などの点について解説を執筆した。4.近衞秀麿が収集した交流記録である音楽家の手形帖について、解説を付けてまとめた。近衞秀麿の音楽家としての活動を国内外に広く伝えるため、同時に英訳を進めた。英文校閲が完了し、原稿は出版社に入稿済である。 5.近衞音楽研究所所蔵資料のうち、これまでデジタル画像化に至らなかったものについてデジタル画像撮影を行った。近衞秀麿の作曲編曲作品や執筆原稿のほか、雅楽研究家の近衞直麿の自筆楽譜が含まれる。6.近衞秀麿作曲編曲目録の英訳に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画で予定していなかった近衞秀麿編曲《君が代》の出版の準備に時間を要したほか、新型コロナウイルスの蔓延と感染予防に伴う移動の制限による遅れを取り戻せなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
目録(日英両版)の公開へ向けデータのチェックと修正を行い、WEB上で公開するための準備を進める。資料のデジタル化とデータベースへの入力作業、海外資料の情報収集を継続する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた目録の英訳は9割方終了しているが、内容の最終チェックとウェブ公開のための作業が残っている。また、海外資料について、情報収集が継続中である。そのため、今年度においては、英訳謝金、調査研究員への謝金、消耗品の購入を中心に支出することを計画している。
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Research Products
(2 results)