2022 Fiscal Year Annual Research Report
Hidemaro Konoye's Role in Dissemination of Japanese Culture and International Music Exchange in Prewar Japan
Project/Area Number |
18K12508
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Research Institution | Odawara Junior College |
Principal Investigator |
三枝 まり 小田原短期大学, 保育学科, 准教授 (10584211)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 近衞秀麿 / オーケストラ / 指揮者 / 国際文化交流 / ドイツ / 20世紀 / 近代日本音楽史 / 演奏法 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.日英両語によるデータベースの公開:近衞秀麿の作曲・編曲資料を収録した目録データベースを作成し、Web上で公開した。このデータベースは、近衞秀麿の音楽活動を理解するための基礎的な資料として有用である。 2.演奏用貸し出し楽譜の作成:近衞秀麿が編曲したベートーヴェン、シューベルト、ショパンの作品について貸し出し用スコアを作成した。これらの楽譜は、近衞秀麿の編曲技法や音楽観を具体的に示すものであり、現代の演奏家や聴衆にも新鮮な魅力を提供する。特に、ベートーヴェン作曲交響曲第3番「英雄」(近衞秀麿編曲)は、日本センチュリー交響楽団により演奏され、NHK大阪放送局により収録された。 3.海外に残る近衞秀麿に関連する資料の調査:ドイツ連邦公文書館に所蔵された近衞秀麿関係ファイル4冊を調査し、その内容を分析した。その結果、近衞秀麿がドイツと日本の音楽文化交流に果たした役割や影響力が明らかになり、戸ノ下達也編著『音楽文化の日本近現代史』(仮)で発表予定である。また、アメリカにある資料の調査では、近衞秀麿がソ連政府のスパイ活動の対象になっていたことや、皇紀2600年奉祝曲として《シンフォニア・ダ・レクイエム》を作曲したブリテンとの関係、ハリウッドで映画製作を企画していたことなどを確認した。 4.研究成果の共有:研究を通じて得られた知見をもとに民音音楽博物館で開催されている民音特別企画展「魂のマエストロ~近衞秀麿」展(2022年12月01日~2023年07月02日)に協力した。 5.近衞秀麿の音楽家との交流記録である手形帖の出版準備:近衞秀麿が国内外の音楽家と交流した際にもらった手形を収録した手形帖を、日本語と英語の解説を付して出版予定で、現在再校を確認中である。この手形帖は、近衞秀麿の人間性や音楽的な影響力を示す貴重な資料であり、国内外の研究者や一般読者に向けて公表を予定している。
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Research Products
(2 results)