2022 Fiscal Year Research-status Report
A study in the Mughal Persian translations of the Laghu-Yogavasishtha
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18K12519
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
小倉 智史 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (40768438)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ムガル宮廷 |
Outline of Annual Research Achievements |
ファルムリー版『ヨーガヴァーシシュタ』ペルシア語訳の校訂作業は、ダブリン写本で残り数フォリオを残すのみとなった。2022年度はサンスクリット原典との比較から、ペルシア語訳においてアラビア文字転写された、サンスクリット借用語の同定作業も進めた。校訂作業ではトロント大学のPegah Shahbaz氏にも参加してもらい、出版に向けた詰めの作業を進めている。複数の『ヨーガヴァーシシュタ』 ペルシア語訳の思想面での比較という点では、パーニーパティー版、ダーラー・シュコー版のテキストでは、原典で主張されるヴェーダーンタ思想に則り、絶対非限定存在=ブラフマンと位置づけられていること、これに対してアクバル版では、存在一性論における絶対非限定存在の言及不可能性が貫徹されており、ファルムリーはそれをブラフマンとは呼称しない。様々な学派における根本原理の名称を列挙する箇所において、ヴェーダーンタ学派の見解を数あるうちの一つとして紹介していることが明らかとなった。この点については2022年12月に開催されたインド思想史学会年次大会において口頭発表をした。発表内容については、出版を予定しているファルムリー版の校訂テキストの序文に記載することを考えている。 予定した国際会議については、招聘予定の研究者のスケジュールが合わなかったために、今年度も実施できなかった。そのため研究期間をさらに1年間延長することになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
テキストの校訂作業と内容分析は順調に進めることができたものの、国際会議を開催できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
ファルムリー版ペルシア語訳の校訂テキストの出版に向けて、原稿を完成させる。また、招聘予定者とのスケジュール調整をしたうえで、国際会議の実現に向けて準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
今年度に開催を予定していた国際会議を、招聘予定者のスケジュールが合わず開催できなかったため。
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