2022 Fiscal Year Annual Research Report
The Economic Growth of the Bombay city in the 18th to the 20th century: new perspectives from indian history
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18K12521
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 道大 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (30712567)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 鉄道 / ボンベイ / マラーター / 交通 |
Outline of Annual Research Achievements |
第1課題「ボンベイ市内の市場形成」に関しては、ボンベイ港トラスト(Bombay Port Trust)の年次報告書の港別の交易量の分析を行い、地理情報システム(GIS)を用いて可視化した。さらにボンベイ管区の貿易統計(Annual Statement of the Trade and Navigation of the Presidency of Bombay)で記された綿花、綿布、アヘンなど重要商品の貿易額・量について、ボンベイ港トラストのデータとの比較・結合を昨年度に引き続いて行った。これにより、これらの主要商品がボンベイ内のどの港で扱われ、どのような港湾施設が活用されたかを明らかにした。 第2課題「ボンベイ市の後背地経済への影響」に関しては、前植民地期に関して、マラーター同盟宰相政府下でのボンベイを含む沿岸部から中心都市プネーまでの物流の在り方を、新たに入手したプネー文書館(Maharashtra State Archives, Pune)および公刊史料集(Satara Rajas' and Peshwa Diaries)の分析により明らかにした。そしてすでに入手していたプネー文書館の通関税史料を再分析してプネーから主要な町への流通経路を明らかにし、沿岸部から内陸町へのいくつかのルートを示した。植民地期に関しては、ボンベイ管区の鉄道記録(Report on the rail-borne trade of the Bombay Presidency)と上記の貿易統計における沿岸貿易のデータを接続させ、ボンベイ港およびその周辺からプネーなど内陸都市への交易の状況を示した。前植民地期から植民地期にかけて、データを比較・照合して連続的な変化を示すには至らず、課題が残った。
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