2020 Fiscal Year Research-status Report
近世東アジアの地方史誌と中国の地方志編纂の影響―編纂過程を手掛かりに
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18K12528
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小二田 章 早稲田大学, 文学学術院, 講師(任期付) (10706659)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 東アジア / 地方史誌 / 地方志 / 編纂過程 / 史学史 / 社会 / 近世中国 / 一統志 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度から引き続き『アジア遊学』の特集「一統志の時代」(勉誠出版、2021年7月刊行予定)のコーディネイト・編集を進行した。コロナ禍のもと、執筆・編集予定が大幅に遅延し、執筆辞退者も発生したが、合計23人の執筆者による原稿をとりまとめ、包括的議論の試みは十分に果たされるものと思われる。報告者自身も総論と論文ひとつ、論文翻訳ひとつを執筆した。 また、杭州の「名地方官」の代表である蘇軾が、「名地方官」として認識されるようになる経緯について、論文「「知杭州」蘇軾 ―いつから杭州を代表する名地方官となったのか」(『多元文化』10号、pp.28-50、2021)として発表した。 さらに、学習院大学東洋文化研究所の漢籍セクションがミニシンポジウム「『一統志』研究の現在」(於Zoomオンライン会議、2021年3月2日)を企画した際に、その基調講演として「一統志の時代のあらまし:一統志と東アジア社会」を報告する機会を得た。 本年度は、前年度に引き続き配偶者の多忙や本人の求職活動、育児・家庭負担が発生したが、特にコロナウィルス感染症問題とそれに伴う機関閉鎖・渡航制限などにより、研究活動に甚大な阻害を被り、予定の項目内容の大半を延期または中止とせざるを得なかった。①英語誌への投稿、②単著出版準備が次年度に延期となり、③AAS参加は再開の見込みが立たないことから予定から削除せざるを得なくなった。予定していた海外・国内の史料調査は(国立公文書館での調査を除き)全て中止となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
まず、前年度からの引き継ぎ事項であった、国際シンポジウム「東アジアの一統志」(於早稲田大学、2019年7月28日)を手がかりとした『アジア遊学』の特集「一統志の時代」(勉誠出版、2021年7月刊行予定)のコーディネイト・編集を進行した。コロナ禍のもと、執筆・編集予定が大幅に遅延し、執筆辞退者も発生したが、合計23人の執筆者による原稿をとりまとめ、包括的議論の試みは十分に果たされるものと思われる。報告者自身も総論と論文ひとつ、論文翻訳ひとつを執筆した。 また、上記アジア遊学の企画が契機となり、学習院大学東洋文化研究所の漢籍セクション(リーダー:大澤顯浩教授)がミニシンポジウム「『一統志』研究の現在」(於Zoomオンライン会議、2021年3月2日)を企画した際に、その基調講演として「一統志の時代のあらまし:一統志と東アジア社会」を報告する機会を得た。同ミニシンポジウムでは、報告者と参加者と議論・交流を行い、「一統志」研究の周知を図るきっかけにもなった。 加えて、地方志の「官績」研究の一端として、杭州を代表する「名地方官」であった蘇軾の「名地方官」認識を長期的視座で考える論考を「「知杭州」蘇軾 ―いつから杭州を代表する名地方官となったのか」(『多元文化』10号、pp.28-50、2021)として発表した。 今年度は、任期付専任教員の学務・教務活動、育児・家庭負担という通常の条件に加え、コロナウィルス問題により研究活動が著しく阻害され、研究遂行に大きな遅れが生じた。まず、英語圏の大規模学会AAS参加は、大会中止と参加の見込みが立たず、予定から削除せざるを得なくなった。代わりに、「英語による論文投稿・刊行」を次年度の中心的目標とした。また、「単著刊行準備」は、論文の整理・投稿が進まず、こちらも次年度に延期せざるを得なくなった。そして、予定していた海外・国内の調査はすべて取りやめた。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、『アジア遊学』の特集「一統志の時代」(勉誠出版、2021年7月刊行予定)を主編として刊行し、紙上にてより広く(世界史上の近世・地方史誌について)議論を行い、かつ発信を行う。 さらに、延期されている英語論文投稿を、英語学会参加の代替を兼ねて行う。 そして、上記の議論を含めて、論文の整理・投稿を行い、延期されている単著(近世中国の地方志と編纂過程に関する研究書)の刊行準備に着手する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス問題により、計画遂行が阻害されたため、その分を次年度に延期して実施することにした。具体的には、①英語誌への投稿に関する費用を中心に、②単著出版準備に関連する費用を状況に応じて計上する。
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Research Products
(2 results)