2020 Fiscal Year Research-status Report
東北アジアの歴史展開に青海チベット仏教寺院ネットワークが果たした役割に関する研究
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18K12531
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
池尻 陽子 関西大学, 文学部, 准教授 (50795044)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ダライ・ラマ政権 / 清・チベット関係 / 東方ユーラシア |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、コロナウィルスの影響により、予定していた研究対象地域での調査・資料収集を遂行することができなかった。また、予定していた国際学会も2021年に延期となった。国内の移動も制限される中、研究課題予算にて一昨年入手した『清代西蔵地方档案文献選編』所収のチベット語一次史料の解析などを進めた。また、『鄂爾多斯右翼前旗(烏審)札薩克衙門档案』をはじめとする南モンゴルや新疆など藩部各地の清代档案史料集を購入し、本研究課題への利用可能性を検討した。 2020年度は、以下の2篇を研究成果として発信した。 ・「清初扎薩克喇嘛制度的形成―从内外庫倫体制到多庫倫体制―」(『関西大学東西学術研究所紀要』第53輯、3~11頁) ・『チベットの歴史と社会』(岩尾一史・池田巧編、臨川書店)「第四章 ダライ・ラマ政権成立前後のチベットと東方ユーラシア」、上巻74~95頁を分担執筆
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上述のように、2020年度はコロナウィルスの影響により一切の海外渡航が不可能な状況であったため、予定していた研究対象地域での調査・資料収集を遂行することができなかった。2020年8月に北京で行われる予定であった国際学会も翌年秋への延期が決まり、成果発信や研究交流も十分に行えなかった。国内での研究活動も大幅に制限される状況にあり、研究の進捗状況は順調とは言い難い。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の遅れを取り戻すためにも、2021年度に現地調査を複数回行う必要があるが、現段階ではコロナウィルス感染状況からして遂行は厳しい状況にある。海外の研究者とオンラインで連携するなど対策を講じて出来る限り支障なく進めるよう努めるが、本研究課題は現地での調査や史資料収集が肝要である。今後の情勢を慎重に見極めつつ、研究期間の延長も視野に検討したい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは、コロナウィルス感染拡大により、予定していた海外での活動を全面中止せざるを得なかったためである。次年度に複数回の海外調査や学会参加を行うことで適正に使用する予定であるが、コロナウィルスの感染状況は未だ楽観視できない。研究期間の延長も視野に、状況を見て適切に判断する。
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Research Products
(2 results)