2019 Fiscal Year Research-status Report
独立直前の西アフリカにおけるリテラシーの社会的位置づけ:ハンパテ・バの活動から
Project/Area Number |
18K12532
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
中尾 世治 総合地球環境学研究所, 研究部, 特任助教 (80800820)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ハンパテ・バ / 仏領西アフリカ / ネグリチュード / スーフィズム / フルベ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、(1)前年度に得られた史料に基づいた研究成果、(2)ハンパテ・バの経歴を地域的・歴史的にコンテクスト化するための西アフリカ研究としての研究成果やそれらの人類学的な理論的含意について述べた研究成果の発表に重点をおいて研究活動をおこなった。 (1)前年度に得られた史料に基づいた研究成果としては、「ふたつのコンテクストのなかのテクスト:アマドゥ・ハンパテ・バの「フルベ文化」(1956年)をめぐって」と題した口頭発表を日本アフリカ学会第56回学術大会にておこなった。ここでは、ハンパテ・バの著作が同時代のネグリチュード運動や民族誌学的なコンテクストのなかで読みとれるだけではなく、イスラーム神秘主義の専門用語のフランス語訳を用いて、その思想を語ったものとしても読めることを述べた。 (2)ハンパテ・バの経歴を地域的・歴史的にコンテクスト化するための西アフリカ研究としての研究成果やそれらの人類学的な理論的含意について述べた研究成果としては、ケンブリッジ大学で開催された貨幣についての西アフリカ社会経済史研究の国際ワークショップでの口頭発表に加え、編著の書籍の刊行、書籍の分担執筆を複数をおこなった。 これらに加え、2019年1月に東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所で主催したワークショップ「西アフリカ・イスラーム研究の新展開」を踏まえた、特集「西アフリカ・イスラーム研究の新展開」を査読付き学術雑誌『年報人類学研究』にて企画し、ほぼ実現する見込みとなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
史料調査については、他の業務との兼ね合いから実施することができなかったが、2019年度は研究成果の発表に重点をおくこととしていたため、その点については十全に成果をえることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの影響により、海外での史料調査の実施が困難となる見通しとなっている。引き続き、研究成果の発表に注力していく方針としている。
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Causes of Carryover |
2019年度において書籍の出版を予定し、2019年8月には原稿を用意していたが、初版の都合によって2019年度内での出版を見送ったため、その出版に必要とされる予算をそのまま次年度に繰り越すこととなった。
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Research Products
(15 results)