2021 Fiscal Year Research-status Report
A Cultural History of Museums and Modern Conceptions of Art in Late Twentieth Century America
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18K12533
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
小森 真樹 武蔵大学, 人文学部, 准教授 (70808873)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ミュージアム(美術館・博物館) / 文化史 / 医学史 / 医学芸術 / パブリック・ヒストリー / デジタル・ミュージアム / 制度論 / フィラデルフィア |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度から継続して、パンデミックの影響に鑑み変更した計画に沿って研究を進めた。収集済のデータの分析、及び、二次資料による研究に加えて、目下のパンデミックに対する社会の反応を記録することも視野に入れて研究を実施した。
それらを大別すると、(1)当初の研究の焦点であった医学博物館・美術館に関する歴史研究、(2)ミュージアムから対象を広げたパブリックヒストリーの方法による調査、及び、(3)パンデミックにおけるデジタル展示論に関する調査である。(1)フィラデルフィアの医学博物館における芸術展事業の事例から、医学博物館においていかに経営論理・美術理論・展示教育倫理が交差しているのかについて考察した。歴史の記憶が文化資源として使われた例として、1918年同市で拡大したいわゆるスペイン風邪の記憶が、新型コロナウイルスのものと合流して語りが生成される過程が見られた。(2)これに関連し、歴史の語りが社会に普及する方法を幅広く捉えるパブリックヒストリーの方法に着目し、ミュージアム以外も対象とする方針で調査した。研究発表はパブリックヒストリーの実践としても展開した。対象をとくに近年のコロナ禍における社会変化を反映した現象・表象に着目し、より即時的かつ広い対象に向けて公開するため、ウェブメディアでの解説としても公表した。(3)さらにパンデミックにおいて特筆すべき現象として、コロナ期以降におけるミュージアムにおけるデジタル対応の状況についても調査した。
本研究は、当初焦点を絞った「ミュージアム」メディアを超えて、歴史資源を文化芸術として活用する方法論に関して「パブリックヒストリー」の視座から広く調査をする方向性へと発展した。成果は、学術論文、研究報告、及び、解説記事として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に続いて令和三年度の研究では、渡航制限などの制約が大きななかにあって、対象・主題について軌道修正したことが功を奏した。パンデミックで生まれた対象も研究対象とすることで、過去の成果をより広い視角及び射程から把握するという、昨年度に立てた新しい方針で調査・発表を続けた。
以上の理由から、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和四年度は、引き続き軌道修正した計画に基づき研究成果を発表する。渡航制限などの影響に鑑み、当初の現地調査を中核とした計画には依らず、計画延長によって修正した方向性に基づき研究をまとめる。
今年度までの調査で得た結果は、引き続き、学会報告・論文・ウェブサイト等の解説記事で公開する。特に最終年度となる本年度には、書籍としてまとめることを目標とする。
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Causes of Carryover |
パンデミックの影響による研究計画を変更し、渡航可能性を計りながら延期をしているため。次年度以降の現地調査ないしそれに代わる調査費用に充てる予定である。
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Research Products
(13 results)