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2019 Fiscal Year Research-status Report

宗教改革思想の伝播に関する研究-オーラルなコミュニケーションを中心にして

Research Project

Project/Area Number 18K12538
Research InstitutionDokkyo University

Principal Investigator

永本 哲也  獨協大学, 外国語学部, 非常勤講師 (60623858)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords宗教改革 / 再洗礼派 / ドイツ / メディア / コミュニケーション / ネットワーク
Outline of Annual Research Achievements

1. 研究2年目の本年度は、下ライン地方各地で逮捕された再洗礼派の審問記録に基づき、宣教の分析を行い、3回にわたり研究報告を行った。2019年7月6日の宗教改革史研究会では、ユーリヒ公領、ケルン、マーストリヒトの再洗礼派の審問記録を用いて、宣教を行った者、宣教方法、宣教の際に用いられた人間関係、宣教の地理的範囲を分析した。2019年12月13日の科研費ワークショップでは、1534年にミュンスター市で広まった預言と奇跡について報告を行った。2019年12月21日のハンザ史研究会では、ヴェーゼル市での再洗礼派の宣教を、市内外の福音派・再洗礼派との人的つながり、宣教で用いられたメディアに整理して検証した。これらの分析の結果、下ライン地方再洗礼派の宣教では、主に口頭でのコミュニケーション、特に家族・友人などの既存の人間関係が重要な役割を果たしたこと、超地域的な情報と人のネットワークが存在し、それを通じて宣教や移動が行われていたことが明らかになった。
2. 宣教の分析を行う過程で、追加の史料調査が必要なことが判明したため、2020年2月24日から3月6日までドイツで史料調査を行った。ヴェーゼル市立文書館では市参事会議事録、デュースブルクのノルトライン・ヴェストファーレン州立文書館では、エッセンとグラードバハ再洗礼派に関する史料、アーヘン市立文書館ではアーヘン宗教改革関連文書を閲覧した。
3. アウトリーチ活動の一つとして、2019年6月20日KYOTOオープンサイエンス勉強会という一般向けのカフェイベントで、本研究に関わる講演を行い、参加者と交流を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

二年目となる本年度は、本来の予定通り下ライン地方各地の再洗礼派の宣教を、主に審問記録を用いて分析した。ユーリヒ公領、ケルン、アーヘン、マーストリヒト、ヴェーゼルの分析は進んでおり、その成果は既に研究会で公表した。これまでの分析で、再洗礼派の宣教において、口頭のコミュニケーションや既存の人的つながりが大きな役割を果たしていたことは確認できた。まだ分析が終わっていないヴェーゼル、アーヘン、エッセン、グラードバハの再洗礼派についても、ドイツでの追加の調査によって史料収集は完了しており、分析の準備は整っている。ただし、調査すべき場所が多いため、本年度に完成予定だった下ライン地方再洗礼派の網羅的な人名リスト作成は遅れており、作業を急ぐ必要がある。

Strategy for Future Research Activity

最終年度である次年度は、下ライン地方全体の再洗礼派の宣教分析を完了することが目的となる。そのために先ず、史料読解が終わっていないアーヘンやエッセンなどの宣教分析を進める。全ての場所の史料分析を終え、下ライン地方再洗礼派の網羅的な人名リストを完成させた後、地域全体の宣教の特徴を明らかにする。その結果は、12月開催の日本西洋史学会大会で報告する予定である。報告後年度内に、論文として分析結果をまとめ、雑誌に投稿することを目標としたい。また、宗教改革期のメディア・コミュニケーションに関する研究動向論文の完成が遅れているが、執筆が終わり次第投稿する予定である。
ただし、現在新型コロナウイルスの感染拡大により、図書館の利用や海外からの書籍購入が難しくなっているため、既に論文執筆に支障が出ている。また、報告を予定している学会大会が実際に開催されるかどうかも現時点では不明である。今年度研究活動をどの程度進められるかは、今後の新型コロナウイルスの感染状況に左右されるところが大きく、先行き不透明であることは否めない。

Causes of Carryover

本年度はほぼ予算通り支出を行った。少額の次年度使用額は、書籍購入に利用する予定である。

  • Research Products

    (6 results)

All 2019 Other

All Presentation (4 results) Book (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] 1534-35年下ライン地方における再洗礼派の宣教―オーラルなコミュニケーションを中心にして2019

    • Author(s)
      永本哲也
    • Organizer
      宗教改革史研究会
  • [Presentation] ミュンスター宗教改革における預言と奇跡―奇跡のしるしを中心に2019

    • Author(s)
      永本哲也
    • Organizer
      武蔵大学科研ワークショップ 近世ヨーロッパの女性と社会+近世ドイツ語圏の預言・奇跡・呪術
  • [Presentation] 1534-35年ヴェーゼル再洗礼派ー宣教、コミュニケーション、ネットワーク2019

    • Author(s)
      永本哲也
    • Organizer
      ハンザ史研究会
  • [Presentation] せんだい歴史学カフェ in KYOTOオープンサイエンスミートアップ! 歴史学の面白さ、伝えます!2019

    • Author(s)
      永本哲也、大谷哲、小坂俊介
    • Organizer
      KYOTOオープンサイエンス勉強会
  • [Book] 天皇はいかに受け継がれたか2019

    • Author(s)
      歴史学研究会、加藤 陽子、永本哲也他
    • Total Pages
      348
    • Publisher
      績文堂出版
    • ISBN
      9784881161340
  • [Remarks] 宗教改革の新しい研究を知るための日本語文献ガイド

    • URL

      https://note.com/saisenreiha/n/n39d2d634322d

URL: 

Published: 2021-01-27  

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