2019 Fiscal Year Research-status Report
啓蒙専制期ハプスブルク君主国における知的公共圏の政治的機能の研究
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18K12539
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
上村 敏郎 獨協大学, 外国語学部, 准教授 (20624662)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ハプスブルク君主国 / 印刷メディア / 秘密結社 / 社会的ネットワーク / 検閲 / 警察 / 公共圏 / ウィーン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、啓蒙専制期ハプスブルク君主国における公共圏、特に権力と言論活動の関係を検討するために、過激な啓蒙思想の流通と関連する3つのコミュニケーション・ネットワーク、①出版ネットワーク、②秘密結社ネットワーク、③宗派ネットワークの関係性と構造を解明し、ハプスブルク君主国における言論活動が「文芸共和国」と言われるような仮想的な知のネットワーク空間にどのような形で関与していたかに留意しつつ、ハプスブルク君主国における啓蒙期知的公共圏が果たしていた政治的機能について検証することを目的としている。
2019年度は特に秘密結社ネットワーク関連の史料調査を夏期と冬季にドイツとオーストリアで実施した。ドイツでの史料調査ではプロイセン文化財枢密国立文書館(Geheimes Staatsarchiv Preussischer Kulturbesitz)で秘密結社ドイツ・ユニオン関連の史料を中心に蒐集した。オーストリアでの史料調査では、警察業務担当の国務大臣ペルゲンとその他の閣僚との書簡史料などを帝室・宮廷・国家文書館(Haus- Hof- und Staatsarchiv)で蒐集した。
また、2019年度は2018年度におこなった研究成果の一部を国際18世紀学会、および東欧史研究会・ハプスブルク史研究会合同報告会で口頭発表の形で公開した。研究成果の公表は活字でもおこなう予定であり、現在、2本の論文を執筆中である。2020年度中に投稿し、公開を目指したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度に予定していた史料調査を十分におこなうことができた。また、研究成果の一部について英語および日本語で口頭発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、これまで収集した史料の分析をすすめ、活字による研究成果の公表をおこないたい。
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Research Products
(2 results)