2020 Fiscal Year Annual Research Report
The study of the rise and fall of the Old Kingdom by structural analysis of pyramids
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18K12552
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河江 肖剰 名古屋大学, 高等研究院, 准教授 (00726987)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エジプト考古学 / ギザ台地 / アブシール / 3D計測 / SFM / VR / ピラミッド / スフィンクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、新型コロナウイルス感染拡大のため、海外調査を行うことができなかったが、これまで取得したエジプトのメンフィス地区に存在するギザ遺跡ならびにアブシール遺跡の巨石建造物の3Dデータの解析と解釈ならびに公開に従事した。 第4王朝のカフラー王(紀元前2472-2448年頃)の時代に建造されたギザ台地のスフィンクスとスフィンクス神殿の画像データは、平成30年度と令和1年度に取得し、ここから関西大学ならびに株式会社World Scan Projectが3Dデータを生成した。ここからAmerican Research Center in Egyptが1979年から1983年に行った考古学的な記録をアップデートすべく、研究代表者による線画生成と考古学的な解析ならびに比較によるモニタリングが行われた。 続くメンカウラー王のピラミッドでは、情報処理会社Langの協力によって3Dデータからの平面画像生成され、そこから内部構造を示す北面の窪みの画像解析を行った。 第5王朝時代のラーネフェルエフ王(紀元前2404年頃)の時代に建造された、アブシール遺跡の未完成の彼の王墓の画像データの解析は関西大学の安室喜弘教授のもとで行われている。 これらのデータと、平成30年度以前に取得した3Dデータを含めたすべての考古データは、DXを勘案し、本年度最後の試みとして、長崎大学の金谷一朗教授を中心に、クラウドストレージサービスであるBOXを用いたオンライン・アーカイブを構成し、現在進行形で、データの一元化を行っている。3Dデータは将来的に一般公開を予定しているが、その先駆けとして、株式会社World Scan Projectの協力のもと、ギザ台地の3大ピラミッドの3Dデータを8K 360度のVR映像として再現し、公開した。
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