2018 Fiscal Year Research-status Report
Local characteristics of sediment transport and landform development processes along the coast of Lake Tonle Sap
Project/Area Number |
18K12577
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Research Institution | Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
南雲 直子 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(水災害・リスクマネジメント国際センター), 研究員 (00599665)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | セン川 / スタウン川 / 土砂輸送 / チャネルバー / 粒度分布 / トンレサップ湖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の主な目的はカンボジア中部に位置するトンレサップ湖岸域の土砂輸送と地形発達プロセスの地域特性の解明であり、1)流入支川の土砂輸送・地形発達プロセスの季節変化の機構、及び、2)トンレサップ湖岸の地形形成における各流入支川の役割、の2つのサブテーマを有している。2018年度は主に1)のテーマに基づき、2回の現地調査を行いながら研究を進めた。2018年9月の訪問時には、現地カウンターパートであるカンボジア王国鉱業・エネルギー省地質調査所を訪問し、本研究の実施計画について説明するとともに、調査・研究活動への協力を依頼し、同意を得た。また、現地で進められている関連研究について情報収集を行った。あわせて、関連するメコン川下流域の低地部において、地形、表層堆積物の観察、周辺の土地利用状況等の現地調査を行った。2019年3月の訪問時には、トンレサップ湖に流入するの支川のうち、北岸に流入する最大の支川、セン川、及び、それに隣接するスタウン川を対象として現地調査を行った。この調査では、これらの河川の河口付近(湖岸部)に着目し、河道形状や水位が低下したことにより出現したチャネルバーの測量を行った。同時に、縦断的に河床材料・河岸材料の採取を行い、粒度分布等の分析を進めている。また、河川の近くに居住する住民を対象として、雨季の洪水発生状況(浸水深や浸水の広がり方)、農業や地域の住み方などに関する聞き取り調査も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試料採取や地形観察、測量といった本格的な調査は水位が低下する年明け以降に実施せざるを得ず、これらのデータを用いた分析、学会発表、論文投稿が年度内にできなかった。しかしながら、関係機関への説明を含む2回の現地調査を実施するなど、研究推進に有用なデータは取得できていることから、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、2018年度に採取した試料について粒度分布等の分析を進めるとともに、成果を取りまとめて学会、論文等として発表することを目指す。さらに、上記結果を参照しながら、今後の調査実施計画、とくに、2018年度に採取できなかった場所での河床材料の縦断サンプリング、河口域での試料採取方法などについて検討していく。
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Causes of Carryover |
学会発表・論文投稿ができなかったため。残額を合わせ、主に現地調査旅費、成果公表のための費用として使用する予定である。
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