2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of diatom analysis for forensic soil examination using diatom taphonomy
Project/Area Number |
18K12578
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
組坂 健人 科学警察研究所, 法科学第三部, 研究員 (40801577)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 珪藻の現地性 / 粒度分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで,茨城県北浦における珪藻殻の運搬および堆積過程を推定することを目的として,珪藻殻の破片化率および両殻共存率を明らかにした.本年度は,北浦の珪藻殻の運搬過程に関する研究論文の作成し,Journal of Paleoliminologyへの投稿および修正を行った. また,昨年度実施した粒度分析の結果を解析した.北浦の湖底表層堆積物の粒度分布は多峰性を示していたため,複数の対数正規分布を示す成分への分離を目的として,Expectation-maximization algorithm(EM)による成分分離を実施した.その結果,本研究で使用した試料の粒度分布は5または6成分に分離できた.分離した成分の平均粒径はそれぞれ,極細粒砂(C1),極細粒砂から粗粒シルト(C2),中粒シルト(C3),極細粒シルト(C4),粗粒粘土(C5),細粒粘土(C6)を示し,流入河川および南部の湖岸域付近の4試料でのみC1成分を含んでいた.分離した成分のうち比較的粗粒な成分であるC1–C3は流入河川や比較的浅い湖岸域であったため,これらの成分が北浦への砕屑物の流入を示すと考えられた.そのうち,C3成分の割合は水深や湖岸からの距離と有意な相関を示し,珪藻種のCocconeis placentulaの破片化率および両殻共存率と相関を示した.以上のことから,河川および湖岸付近の地点で現地性の高いC. placentulaの流入および運搬と砕屑物の流入が調和的であった.
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