2019 Fiscal Year Research-status Report
「大規模投資」にともなうアフリカの都市-農村関係の変容
Project/Area Number |
18K12588
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Research Institution | Hiroshima Jogakuin University |
Principal Investigator |
伊藤 千尋 広島女学院大学, 人間生活学部, 講師 (00609662)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 都市-農村関係 / ザンビア / 大規模開発 / アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、グローバル化が深化するアフリカ都市・農村双方において、不動産開発や農地取得など、大規模な投資をともなう開発プロジェクト(以下、「大規模投資」)が増加している。本研究では、「大規模投資」が進行するザンビアにおける人口移動の動態や資本・情報のネットワークを明らかにすることを通じて、「大規模投資」が都市-農村関係に与える影響を考察することを目的としている。 二年目にあたる令和元年度は、ザンビア南部の農村を対象に、農村からの人口移動の動向についてデータ収集を行った。調査対象村からは若年層を中心に近郊地方都市や首都・ルサカへの出稼ぎ労働が行われていた。 また、首都ルサカでは、中心部周辺のコンパウンドの様子を観察した。ルサカは人口増加が著しく、大規模商業施設の開発や新たな住宅開発が盛んに行われている。このような開発圧力の高まりを受け、中心部に古くから立地している居住区では土地の買い上げが頻繁に起こっていることが示唆された。また、スラムアップグレーディング政策により、社会階層の異なる旧住民と新住民が混住する状態が形成されていた。今後はこのような変化が都市住民や地域コミュニティ、人口移動にどのような影響をもたらしているのかを検討することも課題となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は最低限のデータを現地で収集することができたため、おおむね計画どおりに研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和二年度は、これまでに得られたデータの分析および成果の取りまとめに入る予定である。しかし、新型コロナウィルスの影響により、追加の現地調査が実施できる見込みが少ないという問題がある。そのため、研究期間の延長も視野にいれて研究を進めたい。
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Causes of Carryover |
人件費・謝金を今年度は使用しなかったため、予定よりも総額が減少した。 次年度は、英文校閲費用やデータ分析ソフトの購入等を検討している。
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