2020 Fiscal Year Research-status Report
Modes of Diversity in Japan: Russian-speaking Migrants and their Material Culture
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18K12591
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 在日ロシア語圏移住者 / 物質文化 / マテリアリティ / 住まい / 衣食住 / DIY / コミュニティ形成 / エスニックビジネス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、在日ロシア語圏移住者を対象に、移住者の物質文化・実践がもつ意味を探り、移住者コミュニティの形成過程およびホスト国への影響を辿ることである。2020年度は、従来の研究方法に加え、オンラインインタビューおよびサイバーエスノグラフィーを採用した。インタビューを大きく2つのテーマに分けて行なった。一つ目は、「住まい」を中心とする物質的実践、その中には住宅の改装を独自で行っている対象者らに着目した。二つ目は、「服」に伴う事柄に焦点を当て、古着、とりわけ移住者による着物のリメイクや販売といったプラクシスを見てきた。その結果、移住者の物質的生活における「作り替え」という実践が表面化し、現在、「文化的リサイクリング」などの概念を適用しながらその機能や意味を探究している。 また、これまでの研究成果を以下の形で公表した。龍谷大学で行われた国際ワークショップに参加し、100年スパンで見た在日ロシア語圏移住者の物質的実践やコミュニティの形成について、「ビジビリティ」という概念を適用しながら発表した。その中には、震災やコロナ禍といった危機はコミュニティをどう変えてきたかについても考察した。また、JRCAや『文化人類学研究』等に論文を発表した。JRCAに掲載された論文(ロシア系移民の墓の清掃について)は、マテリアリティをテーマとした特集の一部であり、研究代表者が2年に渡って共同でオーガナイズした国内外の研究者らの国際コラボレーションの結果であった。『文化人類学研究』での論文では移住者の暮らしにおける消費財をテーマとした。 さらに、欧米でのロシア語話者ディアスポラやロシアにおける中央アジアからの移民を対象とする研究者らとの国際コラボレーションに参加しており、マイグレーション、ホーム、ポストソビエトなどをキーワードとした2冊(Edinburgh UP等)でのチャプター執筆を進めてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビューおよび参与観察が順調に運ばれているため。
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Strategy for Future Research Activity |
1年~3年目は在日ロシア語圏移住者を対象に「住宅・インテリア」「所有物」「服(古着)」をテーマにデータを得ることができ、4年目は、これらのテーマを継続させながら、「食」をも対象とする。また、ロシア系移民の墓の清掃・保護の活動についても引き続き参与観察を行う。
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Causes of Carryover |
理由:コロナ禍により移動が制限され、一部のインタビューや学会がオンラインとなったため。 使用計画:2021年度での対面での研究活動。
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Research Products
(7 results)