2021 Fiscal Year Annual Research Report
Modes of Diversity in Japan: Russian-speaking Migrants and their Material Culture
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18K12591
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 在日ロシア語圏移住者 / 物質文化 / 衣食住 / 居住経路 / マテリアリティ / 記憶 / アイデンティティ / コミュニティ形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、在日ロシア語圏移住者を対象に、移住者の物質文化・実践がもつ意味を探り、移住者コミュニティの形成過程を辿ることである。2021年度は、引き続きインタビューと参与観察を行った。また、建築の観点から日本における移住者の住居を対象とし、「文化のリサイクリング」という概念を適用しながら、「社会主義」「幻滅」「ノスタルジア」をキーワードとした学会で発表(2021年6月)を行った。更に、建築物を含むオブジェクトの時空的な性質に注目し、また「記憶」という側面も取り入れ、10月に学会発表をする他、関連のチャプターを執筆した(印刷中)。続いて、社会構築主義におけるhousing pathwaysというフレームワークを用いた上で、また形式主義者・V・プロップによる分析手法を採用しながら、移住者による日本国内での引っ越しの回数やアイデンティティ構築におけるその意味合い、ライフコースとの関係性等に注目したアプローチを展開し、その結果となった論文は学術雑誌"Housing Studies"に掲載された。また、引き続き、移住者の消費財をテーマとして扱い、移住者を取り巻くローカルやトランスナショナルな関係における贈与の実践に着目した学会発表(8月)を行った。更に、4年間の研究で蓄積されたデータを見直し、民族誌のビジュアル化という手法のもとで、移住者の居住経路の検討のための研究方法を発展させた。 また、「食」について、一方では在日ロシア語圏移住者を対象とした洋食の紹介、他方では日本国外のロシア語話者向けの和食の紹介を行う移住者の活動を辿った。なお、「食」に伴う計画の一部は、コロナの影響で対象者と食事を共にすることが実現できなかったという制約から、延期した。
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Research Products
(7 results)