2021 Fiscal Year Research-status Report
ケアの論理を通した〈自然=社会〉性と主体性の再検討
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18K12598
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松嶋 健 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 准教授 (40580882)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ケア / 生態学 / 自然と社会 / 主体性 / 環世界 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、実際にフィールドに赴いての現地調査ができなかったため、オンラインによる聞き取り調査を複数回実施した。聞き取りを行なったのは主として、新型コロナウイルスの影響のもとで、どのように人間・人間以外の動物・微生物・環境をケアしているのか、その具体的な実践についてであった。そこからは、人間と人間のあいだの関係性と、人間と人間以外の動物のあいだの関係性という、二つの関係性のあいだの並行性とずれが見出された。こうした二つの関係性どうしの関係の問題は、人類学においては古典的なテーマであると言えるが、近年のマルチスピーシーズ人類学の展開との関わりで、食べる/食べられるという関係性におけるつながりと、そのなかでの人間に限定されえない主体性の問題として、新たに捉え直す可能性が開かれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、本年度中に複数回の現地調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響により、現地での調査を行なうことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、状況が許せば、少なくとも一回の現地調査を実施する予定である。不十分な点については、オンラインでの調査を援用することである程度カバーできると考えている。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では複数回実施することにしていた現地調査が、新型コロナウイルス感染症の影響で行なうことができなかったため、それに充当する予定であった分を次年度に繰り越した。次年度に実施する現地調査等の費用として使用する予定である。
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