2019 Fiscal Year Research-status Report
中国都市部における産育文化の変容と受容 ー家政サービス員を中心にー
Project/Area Number |
18K12599
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
翁 文静 九州大学, アドミッションセンター, 助教 (80780072)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 家政サービス員 / 産育文化 / 中国都市部 / 文化受容 / ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、中国上海市における出産、育児に関わる家政サービス員を取り上げ、彼女たちの行う産育実践を描くことを通して、中国都市部における産育文化の変容とその受容の一端を解明することを目的とする。この目的に合わせて、平成30年度から令和3年度を通じて、文献収集とともに、計8回の現地調査(Rトレーニングセンターでの受講5回、家政サービス員の雇用先への訪問3回)及び計4回の発表を行う予定である。 今年度中に実施した調査は主に下記の2件である。 まず、令和元年8月12日から15日までRトレーニングセンターで小児マッサージ(中医の知識と技術に基づく)の講座を受講した。自ら受講することによって、講座の内容を深く理解するとともに、同じ講座の受講者へのインタビュー調査が可能となった。そして、12月24日から12月29日まで、家政サービス員派遣会社において、家政サービス員計12名にインタビュー調査を行った。 一方、研究発表に関して、今年度は2回の発表を行った。一回目は日本家族社会学会第29回大会(神戸学院大学ポートアイランドキャンパス)において、「家事・ケア労働者による産育実践とその受容―中国上海市を事例に―」というタイトルでの発表であった。そして、もう一回は「高齢化する中日社会における家族の変化と社会的支援」(北京社科博源賓館)国際学術シンポジウムでの発表であった。二回目発表の成果(中国都市部におけるケア文化の変容と受容―上海市の家事・ケア労働者を中心に―)は北京社会科学院の出版物に掲載の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
R トレーニングセンターでのコース(小児マッサージ)の受講は予定通りできた。一方、令和2年3月に中国上海市の雇用者に対するインタビュー調査が実施できなかった。その理由はコロナの影響で、中国上海市へ渡航することができなくなったからだ。
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Strategy for Future Research Activity |
世界中におけるコロナの影響を踏まえ、半年以内での渡航および海外調査は難しいと思われる。そのため、今までの調査方法を変更したい。つまり、中国都市部の雇用者に対するインタビュー調査は「フェイスtoフェイスのもの」から「SNSによるインタビュー調査」へ切り替えたい。その際に、手続き上の問題や、インタビューの質の低下の問題が生じるかもしれない。しかし、協力者の数が増える可能性、また多様な協力者が現れる可能性もあるため、積極的に「SNSによるインタビュー調査」を導入する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で、海外渡航ができなくなり、次年度使用額が生じた。令和2年度の使用計画としては、まず、対面インタビューからSNSによるインタビュー調査へと切り替えることによって、調査対象が増え、多額な謝礼が生じる。次年度使用額を謝礼に使いたい。また、コロナが落ち着いてきたら、海外(上海)での調査を再開し、場合によっては調査回数を増やしたり、出張期間を予定より長くする可能性がある。その際の旅費などに次年度使用額を充てたい。
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