2020 Fiscal Year Research-status Report
中国都市部における産育文化の変容と受容 ー家政サービス員を中心にー
Project/Area Number |
18K12599
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
翁 文静 九州大学, アドミッションセンター, 准教授 (80780072)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中国都市部 / 家政サービス員 / 出産・育児 / 文化の変容 / 文化の受容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、家政サービス員に焦点をあて、中国都市部における出産・育児文化の変容とその受容の一端を解明することを目的とする。具体的に、1、出産・育児の政策や、出産・育児の市場化等を把握し、出産・育児文化の変容の背景を明らかにする(目的1)。2、家政サービス員の養成過程に着目し、彼女たちが新しい出産・育児の知識や方法に対する受容もしくは抵抗の様子を描く(目的2) 。3、雇用主が家政サービス員とのやりとりの中で、出産・育児の政策や新しい出産・育児方法に対する受容・抵抗などの様相を描く(目的3)。平成30年度から令和3年度を通じて、計8回の現地調査及び計4回の発表・投稿を行う予定である。 今年度中に実施した研究成果はインタビュー調査、学会での発表とおよび論文の投稿である。 本研究の目的3に合わせて、雇用主らにインタビュー調査(SNS)を行い、彼らが家政サービス員の提供する新しい出産・育児方法に対する受容・抵抗などの様相を描いた。このインタビューの結果を踏まえ、日本家族社会学会30回大会において研究発表を行なった。 また、比較家族史研究第35号の特集「高齢化する中日社会における家族の変化と社会的支援」に論文を寄与した。中国社会科学院日本研究所の出版した書籍「A SOCIETY WITH LOW BIRTHRATES AND AN AGING POPULATION -A Comparison of Policies and Practices in China and Japan」にも論文を投稿し、掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの世界的蔓延により、中国(上海)における現地調査ができない。本研究の二つ目の目的は「家政サービス員の養成過程に着目し、彼女たちが新しい出産・育児の知識や方法に対する受容もしくは抵抗の様子を描く」であるが、達成できない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスおよび変異株の蔓延の影響で、半年以内での渡航および中国上海における現地調査は難しいと予測される。 今年度、中国都市部の雇用者に対して「SNSによるインタビュー調査」を行なった。一定の成果が得られたので、今後も引き続き、「SNSによるインタビュー調査」を行う予定。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの蔓延で、海外への渡航と現地調査ができなくなり、次年度使用額が生じた。令和3年度の使用計画としては、まず、SNSによるインタビュー調査を行うことにより、調査対象が増え、多額な謝礼が生じると予測する。次年度使用額を謝礼に使いたい。また、コロナが落ち着いてきたら、海外(上海)での現地調査を再開し、場合によっては調査回数を増やしたり、出張期間を予定より長くする可能性がある。その際の旅費などに次年度使用額を充てたい。
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