2020 Fiscal Year Research-status Report
現代中央アジアのタサウウフをめぐる人類学的研究―スーフィー詩への注目から
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18K12604
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
和崎 聖日 中部大学, 人文学部, 講師 (10648794)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中央アジア / タサウウフ / スーフィズム / 聖者崇敬 / 詩 / イスラーム / 男性 / 女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度において、新型コロナ禍の影響により、当初の計画を大きく変更した。現地調査を一切控えることになった。その分、原稿の執筆、ならびに映像人類学分野における民族誌映画の制作・出品等に集中的に取り組んだ。特筆すべき実績としては、民族誌映画『グリ・アルムガーン:ウズベキスタンの女性たちによるローカルなイスラーム儀礼(Guli Armug'on: Women's Local Islamic Ritual in Uzbekistan)』〔約23分、英語、Adham ASHIROV, Iqbol MELIQO'ZIEVと共同制作〕が以下の2つに入選したことである。①第9回国際民族誌映画祭「クラトヴォ2020」(マケドニア. 映画祭上映2020年10月2日)、②第17回英国王立人類学民族誌映画祭 短編部門(ロンドン.online. 映画祭上映2021年3月19-28日)。とりわけ後者の映画祭は、世界的に権威のある映画祭である。この実績は、国際共同研究にも該当するうえ、科研の研究成果を世界の最前線に公表したものとして高く評価できると考える。そのほかにも、現地研究者との共著原稿(「旧ソ連・ウズベキスタン南部のスーフィズムと民族間の共生:ジャフル儀礼への注目から」東長靖, イディリス・ダニシマズ, 藤井千晶編『イスラームの多文化共生の知恵―周縁イスラーム世界のスーフィズムに着目して』京都:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科附属ケナン・リファーイー・スーフィズム研究センター, pp.77-105.)を日本語で刊行するなど、2020年度における本科研の研究実績は大変に充実するものとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗状況に関して、新型コロナ禍の影響により、現地調査が不可能となったことにより、当初予定していた調査内容は実施出来ていない。しかし、その分、これまで実施してきた調査・研究の公表に時間をかけることが出来たので、質的にも量的にも当初の計画よりはるかに良い成果をあげることが出来ていると判断できる。とりわけ民族誌映画『グリ・アルムガーン:ウズベキスタンの女性たちによるローカルなイスラーム儀礼(Guli Armug'on: Women's Local Islamic Ritual in Uzbekistan)』〔約23分、英語、Adham ASHIROV, Iqbol MELIQO'ZIEVと共同制作〕が以下の2つに入選したことは、本科研にとって非常に大きな成果であるので、再度強調しておく。①第9回国際民族誌映画祭「クラトヴォ2020」(マケドニア. 映画祭上映2020年10月2日)、②第17回英国王立人類学民族誌映画祭 短編部門(ロンドン.online. 映画祭上映2021年3月19-28日)。とりわけ後者の映画祭は、1871年創設の英国王立人類学協会主催による世界最高権威の1つに数えられる映画祭である。この実績は、国際共同研究にも該当するうえ、科研の研究成果を世界の最前線に公表したものとして高く評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策は、新型コロナの影響次第により、以下の2つに分かれる。第一に、新型コロナの影響が今年度の最後まで続き、海外調査の実施が不可能な場合には、研究成果の公表に集中的に取り組む。これまでに終えている調査として未公表のフィールド資料がまだ豊富に残っている。これを論文と民族誌映画の形で今年度も公表に努める。特に後者の作品については英語で制作する。第二に、新型コロナの影響がなくなり、現地調査が可能になった場合、夏や春に中央アジア諸国に調査に赴き、計画していたが調査できていない事項についての調査を実施する。それと同時に、成果公表の努力も同時並行で進めていく次第である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により予定した海外調査、ならびに海外から研究者を招聘しての国際会議を実施することができなくなったため、次年度使用額が生じた。今年度の夏、冬、ないしは早春に可能なら海外調査を行い、映像撮影など調査費にかかる諸経費として使用する予定である。
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Research Products
(11 results)