2021 Fiscal Year Research-status Report
現代中央アジアのタサウウフをめぐる人類学的研究―スーフィー詩への注目から
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18K12604
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
和崎 聖日 中部大学, 人文学部, 講師 (10648794)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 映像人類学 / 民族誌映画 / 国際共同研究 / オンデマンド配信 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度に予定していた調査はコロナ禍の影響により実施できなかったが、研究成果の点では大きく進展した。査読付きの学術論文の刊行に加えて、映像人類学分野の「論文」にあたる民族誌映画を英語と日本語で制作し、国内外の映画祭で入選したからである。本映画は、ウズベキスタンの民族学者とメディア学者を中心に共同制作された。同作は、以下の映画祭で入選し、上映された。1)東京ドキュメンタリー映画祭2021人類学・民俗映像部門コンペティション、2)The Congress of the International Union of Anthropological and Ethnological Sciences(IUAES) Yucatan: The Indigenous and Ethnographic Film Exhibition,(2021年11月9~13日/メキシコ)、3) International Ethnographic Film Festival OKO 2021 International Short Film Competition(2021年9月11~18日/ウクライナ)、4) The Third Festival of Engaged Ethnographic Film "Vizantrop"(2021年10月21日/セルビア)、5) The Congress of the International Union of Anthropological and Ethnological Sciences Yucatan: The Indigenous and Ethnographic Film Exhibition(2021年11月9~13日/メキシコ)2021年夏には上智大学イスラーム研究センター(当時)のホームページでもオンデマンド配信された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗状況は調査の点ではコロナ禍の影響により計画通りに進んでいないが、研究成果の点で大きな進展があった。査読付きの学術論文の刊行に加えて、映像人類学分野の「論文」にあたる民族誌映画を制作し、現在までのところ国内外の映画祭(合計7点)で入選したからである。本映画は、ウズベキスタンの民族学者とメディア学者を中心に共同制作されたという点から国際共同研究であると言える。現在も本科研の研究課題と関連する新たな民族誌映画を制作中であり、本年度も大きな研究成果を期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本科研の研究課題における関心の中心には、中央アジアにおいてタサウウフ(タリーカとスーフィズム)はなぜムスリム民衆から大きな支持を受け続けるのか?という問いがあった。本科研では、その理由として、平易でありながらタサウウフの叡智をわかりやすく説くスーフィー詩が現地のムスリム民衆の心を魅了し続けていると仮定していた。科研の最終年度にあたる2022年度では、上記の仮説に関して現地の人びとの声を聞くことを目的として、また3作目となる民族誌映画の撮影を目的として、ウズベキスタンとカザフスタンへ渡航し、フィールドワークを行う。そして、本科研の総まとめを行いつつ、引き続き国内外で研究成果を積極的に公表していく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により中央アジアへのフィールドワークを目的とした渡航を実施出来なかったため、次年度使用額が生じることになった。使用計画自体について変更はない。
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Research Products
(7 results)