2021 Fiscal Year Annual Research Report
What is a Transaction Framework that Can Make Collective Movable Collateral Active: A Cross-Sectional Study of the History of Collateral Law and Contemporary Practice
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18K12620
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Research Institution | Hannan University |
Principal Investigator |
池田 雄二 阪南大学, 経済学部, 准教授 (50723144)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 集合動産担保 / 倉庫 / 危機 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の問いは、集合動産担保を活性化するために必要なことは何かを示すことにあり、それを示すために本課題では、担保法史における集合動産担保の系譜的な位置づけと、その到達点である現代実務を法学のみならず、経済・経営史の知見の協力も得つつ、横断的に調査し、検討することを目的とした。 目的遂行のために法制史、経済史、経営史からなる担保史研究会を創設し、会員増加により担保実務に造詣が深い法曹の加入も得られた。これらのメンバーにより、日頃研究会を重ねた上で、共同報告を進化経済学会(2019年)、経営史学会関西部会(2021年)において行った。また単独の成果報告として学士会(2020年)、法制史学会(2021年)において行った。 以上の成果によって、第一に、担保制度は戦争、経済、災害等の危機を契機に変動することが多く、またその時代、制度に適応した一種の進化ともいえる現象であること、第二に、担保物の占有形態は担保目的物が当事者にとって占有する価値があるものか否かによって変化し得るものであり、従って同じ物でも扱いが時代によって異なり、担保権者が占有を必要としない(しなくなった)場合、抵当形態が多くなるが、設定者側のモラル的なリスクが高まるため、第三者的な保管機関である営業倉庫がその防止に重要な役割を果たすことができるため、その制度整備が課題である。またこの点は古今東西共通して実務においては認識された課題であるが、倉庫研究が全体的に手薄であるという認識を共同研究を通じて共有した。以上より担保制度の発展に当たっては、(暴利等に一方当事者の利害に偏ることに注意をしつつも)当事者の需要の実態調査が不可欠であるとの知見に至った。
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