2021 Fiscal Year Research-status Report
富の集中がもたらす憲法的価値への影響とその統制の可能性
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18K12627
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木下 昌彦 神戸大学, 法学研究科, 教授 (90456096)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 憲法 / 経済法 / デジタル・プラットフォーム / 表現の自由 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、5月に本研究課題に関連する論稿として、「デジタル・メディア・プラットフォームの憲法理論」情報法制研究9号16頁-33頁を公表した。同論文は、経済的権力の集中は、政治的権力の集中へと転化することで、民主主義にも深刻な影響を与えるという本研究課題の基本的問題意識を前提として、近年、独占寡占が進行するデジタル・メディア・プラットフォーム市場における規制の是非、具体的規制の在り方について包括的な検討を加えたものである。同論文の公表以後、同論文をもとに、総務省情報通信法学研究会メディア法分科会において研究報告をおこなったほか、企業等からも同論文に関して問い合わせがあり、社会的にも重要な貢献となる論文となったと考えている。また、公表自体は、2022年4月となったが、2021年度中に執筆した論文として、「勤労権・生存権・福祉国家-戦後日本における憲法的福祉国家実現の系譜」法律時報2022年5月号がある。同論文は、富の集中の解消のわが国の歴史について辿ったものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度においては、関連する複数の論文の公表を実現しており、また、Zoomを通じた国際学会の出席を通じて、自己の研究の国際的位置づけについても深めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度においては、本研究課題の包括的成果を公表するべく、これまでの成果を統合する論稿を執筆する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍に伴う移動制限により、国際学会・国内学会(研究会)に出席するために必要な経費の支出がなかったため
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