2019 Fiscal Year Research-status Report
Comparative study of the application of Community law by national courts in Central America
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18K12644
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中井 愛子 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (00815722)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 中米統合機構 / 国際法の国内適用 / 地域統合 / SICA / 中米司法裁判所 / 憲法と国際法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は3年計画の2年目として、中米統合と南米・欧州の地域統合(南米共同市場、アンデス共同体、EU)における地域的国際裁判所の制度設計の比較研究と、中米統合機構加盟国の各国の憲法秩序における国際法・地域的共同体法の地位の比較研究を行う予定であった。 上記計画に沿って、今年度前半にグアテマラでの現地調査を行った。主な活動は以下である。グアテマラ憲法裁判所・同図書室でグアテマラ国内における国際法の適用と国内法との関係につき調査した。グアテマラ国立図書館およびサン・カルロス・デ・グアテマラ大学で資料収集を行った。同国に所在する中米議会を視察しインタビューを行った。市内書店にて、グアテマラ憲法、国際法、中米統合の関連書籍を収集した。 本年度の後半には、グアテマラでの調査結果を基にした比較研究を進めつつ、中米のその他の国でも調査を実施するために準備を進めたが、現地の治安の回復が遅れていたため延期を余儀なくされた。来年度の実現を目指している。 研究成果として、ラテンアメリカの地域的国際法と一般国際法の対話による変化を題材としたスペイン語の論考を執筆し、2019年12月に共著書の中の1章として出版した。(Aiko Nakai, "La contribucion de la Argentina al desarrollo del derecho internacional: pasado y futuro," in Jorge Carlos Guerrero, ed., Perspectivas multidisciplinarias sobre la Argentina contemporanea (2019).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はグアテマラで現地調査を行うことができた。これによって、中米諸国一般の政情・治安の悪化によって現地調査ができなかった昨年度の遅れを一定程度取り戻すことができた。また、昨年度、中米での現地調査の代替措置として近隣諸国(北米・南米諸国)で資料を収集していたため、それらの資料と今年度の調査で得た新しい資料に基づいて、順調に比較研究を進めることができている。 しかし、国によっては、国内法・国内裁判所判例につき十分な資料が入手出来ていない。来年度の現地調査が強く望まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画を実現すべく、国内法・国内判例の調査が遅れている中米の国での現地調査・資料収集を重点的に行いたい。その上で、すでに着手している欧州・南米の地域統合との比較研究を進め、特に実証面での質の向上を図る。そのために、入手困難な現地資料の入手とそれに基づく実証的な方法による比較研究の推進に引き続き注力する。
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Causes of Carryover |
今年度は中米の複数の国での現地調査を行う予定であったが、地域的な政情不安定からの回復がいくつかの国で遅れており、十分な現地調査が実現できなかった。今年度前半に現地調査ができなかった諸国につき、予定を繰り下げて年度末からの現地調査を計画していたところ、世界的な感染症の流行で渡航が不可能となった。研究計画の実施にはこれらの国での現地調査、または、次善の策として近接する諸国での当該諸国に関する資料の収集を行うことが不可欠であるため、それに必要な助成金を次年度に使用することとした。
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Research Products
(1 results)