2022 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative study of the application of Community law by national courts in Central America
Project/Area Number |
18K12644
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
中井 愛子 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 准教授 (00815722)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中米統合機構 / 国際法の国内適用 / 中米司法裁判所 / 裁判官対話 / SICA / 憲法と国際法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、最終年度として、本研究計画において得られた知見の総括(研究成果の取りまとめ)及び研究成果発表を行った。総括対象とした知見は以下のとおりである。(1)国内の憲法における、国際法・国内法関係を定めた諸条項及び地域統合に関する特別の諸条項。(2)共同体法の国内適用に関する国内判例のうち、特に、国内法及び憲法と共同体法との優先劣後関係に関するもの。(3)中米司法裁判所(CCJ)の判例で同様の事項に関するもの。(4)CCJの判例への返答にあたる国内判例。これらの知見の整理・総括及び研究成果発表は、当初は一昨年度(及び期間延長によって昨年度)に予定されていたがCOVID-19の影響で完遂できなかったものである。 2022年度も知見のアップデートのための現地渡航は叶わなかったが、遠隔から手に入るリソースを利用して最近の変化をできる限りフォローしたほか、近隣諸国においてメルコスール、アンデス共同体等の他の地域機構との比較を進め、以下のとおり研究成果を取りまとめて発表することが出来た。 第一に、中米統合機構の司法制度設計、加盟国とCCJの間の判決の相互参照、並びに、他の地域統合からの影響(裁判所規程の比較、加盟国の国内裁判所またはCCJによる他地域の地域的国際裁判所判決またはその加盟国の国内判決の引用参照)から、この地域における法の統合の現状と国内裁判官の役割を分析する章を執筆し、共著書として出版した。 第二に、①地域的諸条約、裁判所規程及び各種規則によって定められたCCJの管轄権、②中米統合機構の全加盟国の各国国内憲法の条文及び国際法と国内法の関係に関する主要判例法理、③各国の憲法および憲法解釈の相違を踏まえた、共同体法の国内的地位に関する各国の裁判例の紹介及び比較検討、を内容とする論考の紀要への連載を開始した。
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Research Products
(3 results)