2018 Fiscal Year Research-status Report
国際組織・私的アクター間の「官民パートナーシップ」が国際法学に及ぼす影響
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18K12646
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
佐俣 紀仁 東北医科薬科大学, 教養教育センター, 講師 (10612533)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 国際組織 / 私的アクター / PPP / アカウンタビリティ / SDGs / 正当性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、Public Private Partnership(以下、PPP)と呼ばれる法的結合形態のうち、国際組織と私的アクターの間のPPPに焦点を当てて、これらが国際法学、特に国際組織法学にいかなる影響をもちうるのかを検討することにある。研究計画初年度である平成30年度は、国際組織と私的アクターの間のPPPの制度および機構面に着目した分類および評価を行った。具体的には、関連する先行研究や一次資料を手掛かりとして、保健・衛生、開発、難民等の各分野におけるPPPの実例を検討した。研究を進める中で、海洋法分野における法定立過程あるいは政策実現過程における国際組織と私的アクターの相互交錯事例を見出せた。具体的には、SDGsの実施や、国家管轄権外区域での海洋生物多様性の持続可能な利用および保全に関する条約交渉等での国際組織と私的アクターの関係である。これらの成果の一部は既に雑誌論文として刊行し、また残りの成果も順次公表予定である。また、2019年3月には、ドイツのマックスプランク比較公法・国際法研究所に短期の在外研究を行った。この在外研究を通じて、初年度の研究成果についての関連分野の研究者と意見交換および追加的な資料収集を効率的に進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、雑誌論文等の公表および海外研究機関(マックスプランク比較公法・国際公法研究所)での海外研究者との意見交換等を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の成果を踏まえ、2019年度は、予定通り、PPPの活動から生じた被害や損害に関する法的責任/アカウンタビリティの問題に焦点を当てて検討を進める。同時に、初年度に分析対象としなかった他分野のPPPの実例にも目を配ることとしたい。
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