2021 Fiscal Year Research-status Report
国際組織・私的アクター間の「官民パートナーシップ」が国際法学に及ぼす影響
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18K12646
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
佐俣 紀仁 武蔵野大学, 法学部, 准教授 (10612533)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国際組織 / 私的アクター / PPP / 正当性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、Public Private Partnership(以下、PPP)と呼ばれる法的結合形態のうち、国際組織と私的アクターの間のPPPに焦点を当てて、これらが国際法学、特に国際組織法学にいかなる影響をもちうるのかを検討することにある。研究計画の最終年度(延長後)である令和3年度は、様々なレジームや国際組織間の関係での相互調整について、PPPが果たす意義や役割を検討し、また研究を総括する作業を行なった。主たる研究成果として、以下のものがある。 ・多様なアクター間の「パートナーシップ」を奨励するSDGsが国際法の形成、履行に果たす役割を検討した。佐俣紀仁「SDGsによる海洋プラスチックごみ問題への対応 ──「目標ベースのガバナンス」と法の相互関係」」『環境管理』2022年3月号。 ・国際組織と私的アクターとの間のPPPにおける責任および法的義務の配分について、国連PKOを素材に検討した研究報告を行なった。(佐俣紀仁「国連平和活動と人権」2021年8月22日、同年9月脱稿済み) ・PPPを活用している国際組織の例として世界保健機関(WHO)がある。WHOのアカウンタビリティを向上することの意義と課題についての論文を執筆した。佐俣紀仁「世界保健機関(WHO)の権限とアカウンタビリティ――国際保健規則(IHR)緊急委員会の透明性改革の課題」『国際法外交雑誌』120巻1-2号。 なお、新型コロナウイルス感染症の流行とそれに伴う研究活動の制限のため、計画通り進められなかった部分については、研究期間を1年間延長して対応する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行とそれに伴う研究活動の制限のため、海外に渡航しての研究活動は計画通り進められていないが、オンラインで代替可能な部分については概ね計画通り順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症に伴う社会活動の制約を受けた部分(海外渡航しての現地調査や海外研究者との研究交流等)については、研究期間を1年間延長して対応する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で現地調査や資料収集が十分に進まなかったため、2022年度以降の調査活動および研究資料購入等の用途で使用する。
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