2021 Fiscal Year Annual Research Report
a study of the relation between national regulation and collective autonomie in French Employment and Labour Law
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18K12652
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
小山 敬晴 大分大学, 経済学部, 准教授 (00633455)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フランス労働法 / 労働組合の代表性 / 公序 / 労使関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、労働法規範において、法律の規制領域と労使交渉による決定可能領域の分配問題について、近年のフランス労働法改革を素材に検討するものである。 研究実施計画としては、フランス労働法改革に関する文献の読み込み・分析をおこなったうえで、現地調査を行い、理論面・実態面の双方から労働法改革の評価をすることにより、上記課題についてのフランスの動向と現状を明らかにするという手順により研究を行うものであった。 今年度は、昨年に引き続き新型感染症の影響により現地調査を行うことができなかったが、フランスにおいて、この間プラットホーム就労者の団結権、団体交渉制度、労働者代表性制度が整備されるという新しい動向があった。この問題は、プラットホーム就労者の労働者性を肯定した2019年の破毀院社会部判決を受けて、プラットホーム就労者への法規制が議論される中で、労働法典を直接適用し法律の効果を波及させるのか、または当事者間の交渉枠組みだけを設定し、自主交渉にゆだねるのかという、労働法の保護領域と労使交渉領域との分配問題に関連するものであった。そこで2021年のプラットホーム労働者を含む、独立労働者の代表方式を定めるデクレについて分析。その結果、フランスでは、プラットホーム就労者についても、独自に労働法の適用対象となるカテゴリーを設定するのでなく、代表性法制を適用することで、自主的規範設定による解決を志向していることが明らかとなった。
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