2020 Fiscal Year Research-status Report
てんかんに起因する自動車運転死傷事故を防止するための効果的な方法の研究
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18K12662
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
内山 真由美 佐賀大学, 経済学部, 准教授 (10580128)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自動車運転事故防止 / 運転免許証返納 / 交通弱者の移動手段 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は文献調査に加えて、てんかんのある人と家族、医療や福祉の専門家と接することで得られる知見をもとに、自動車事故を防止するための立法の在り方を提示することである。当初は、てんかんのある人と家族を対象とするヒアリングを検討したが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、前年度同様の活動が一切行うことができないことから断念した。 そこで、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を考慮するとともに、自動車事故を防止するための立法の在り方を提示するという本研究の目的を果たすため、今年度は、所属機関の所在地である佐賀県において、自動車事故を防止するための方策がどのようになされているかについて調査研究を行った。特に高齢化が進む地方都市において、免許の自主返納と移動手段の確保についてどのような取り組みがなされているのか、主に佐賀県内自治体にアンケート調査を実施した。 調査結果は、2020年10月11日にオンラインで開催された日本交通学会第79回研究報告会における内山真由美=亀山嘉大「交通弱者の移動手段の確保と交通事故防止対策の構築―佐賀県の地方自治体と運送業者の調査から―」と題する報告において発表した。報告内容は、査読の過程で「高齢者の運転免許証の返納と交通弱者の移動手段の確保―佐賀県の地方自治体の調査から―」という題名に変更し推敲を重ね、日本交通学会『交通学研究』第64号に掲載された(107~114頁)。この調査で得られた交通弱者の移動手段の確保という課題は、てんかんのある人にも共通する課題である。そのため本研究の目的を果たす上で意義のある研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて前年度とは異なる活動となったが、佐賀県内自治体における地域公共交通の現状及び運転免許証の自主返納を促進する施策についてアンケート調査を実施し、それを分析することによって、自動車事故を防止するための行政の取り組みについて現状と課題を把握することができた。そのため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も新型コロナウイルス感染症の影響が継続するとみられるため、当初予定していたヒアリングの実施は困難であることが予想される。そこで、自動車事故を防止するための方策の提起という研究目的を達成することができるよう、令和2年度同様、対象者や対象地域を限定するなど工夫する。次年度に先立ち、令和2年度末に公共交通に関する住民の意識についてアンケート調査を実施した。令和3年度はこの調査結果を分析して研究を進める。
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Causes of Carryover |
購入を予定していた複数の書籍について年度内に発注できなかった。次年度発注する。
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Research Products
(4 results)