2020 Fiscal Year Annual Research Report
Precautionary Regulation of Environmental Risks and the Principle of Proportionality
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18K12696
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
横内 恵 法政大学, 人間環境学部, 准教授 (40632708)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 環境リスク / リスク / 科学的不確実性 / 比例性 / 比例原則 / ドイツ / 遺伝子技術法 / 予防原則 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行をうけて、予定していたドイツでの調査を断念することとなったが、主に以下の3点について国内において文献調査や判例調査を実施した。(1)ドイツの遺伝子技術法が閉鎖系システムについていかなる手続を定めているか、また、その手続において専門家委員会等の外部主体がいかに関与しているかにつき、2018年度より行っている調査を発展させた。(2)遺伝子技術法が開放系システムについていかなる手続を定めているかについての調査を続行した。そこにおいては、開放系システムのうち、放出の段階に着目した。放出の段階では施設外で遺伝子組換え体を扱うことになるという点で、閉鎖系システムとは決定的な相違があるためである。同法が放出について、いかなる許可手続を定めているか、また、その手続において専門家委員会や一般公衆がいかに関与しているか、リスクの評価が定まらない場合にいかにして許可・不許可の決定を行うか等につき、文献等の調査をした。(3)放出の段階での許可等の手続においては、閉鎖系システムと比して、手続への関与主体が多様化し、また、外部主体の関与が強まるものである。そうした手続を通じた決定が比例原則による実体的判断といかに親和性を有しうるか、とりわけ、裁判においていかなる判断がなされているかにつき、判例や文献等の調査を続行し、検討を行った。以上の(1)~(3)につき、それぞれを論文として公表すべく、成果をとりまとめたところである。
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