2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K12701
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松本 朋子 東京理科大学, 教養教育研究院神楽坂キャンパス教養部, 講師 (50783601)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 選挙 / 政治家の発言 / 政治家・政党の政策立ち位置 / 言語 / 議事録 / 選挙公報 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究進捗は以下の通りである。 (1) 政党の政策立ち位置の定量分析に関する共同研究について、海外ジャーナルに投稿しており、現在査読中(R&R)である。今年度中に出版が完了することを望み、現在結果を待っているところである。(2) 選挙公報を用いた研究については、データ整理が完了し、初期的なデータ解析を行なったが、想定した結果が得られなかった。さらに、データの中身を詳しく分析することで、得られる知見を探索し、年度末までに知見をまとめたいと考えている。 (3)インドと日本の議事録解析による分析はどちらもデータ解析を共同で進めている。(3-1)インド議事録については、大凡の結果は得られたため、現在追加的な変数構築を行なっており、今年中に論文投稿まで辿り着きたい。(3-2)日本の議事録については、初期に得られた結果をsupportする結果が追加調査で得られなかったため、注目するトピックを変更し、現在分析をし直している。こちらも本年度中に論文としてまとめ上げたいと考えている。(4)政治家の言葉の選び方という発想を拡張させる形で、言語の特徴をネットワーク解析する研究について行なっている。(4-1)本研究の初期段階の研究については、2021年度、海外ジャーナルに投稿し、査読が通り論文を出版することができた。(4-2)20世紀前半の言論に着目することで国際情勢と言論における表現の変化がどのように相関していたかについて分析している研究については、初期の分析が終わり、そこで得られた知見を2022年度日本政治学会研究大会で報告する予定となっている。(5)選挙に関するレビュー論文を書き上げた。本論文は、2023年3月発行予定の書籍の1章として入る予定のものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
このプロジェクトでおこなっている研究の内、(4-1)の研究については初期段階の結果を論文にまとめ、査読付きの論文として公表することができた。また、もう一つおこなっている(1)の研究についても、ようやく昨年秋に投稿が完了し、現在R&Rを重ねていることから、この2点において、研究は順調に進展していると判断した。 一方で、データ収集と整理は完了したものの、解析の結果、初期に想定していた結果が得られていない研究も複数存在する。その点については、今後、想定の知見が得られない要因を詳しく解析していき、それにより論文として研究をまとめていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
(2)のデータに関しては、当初の仮説通りの結果が得られていないので、なぜ仮説と食い違う結果が出るのか、その要因を解析している。(3-1)については、6割程度の分析を終えているので、この夏の間に結果をまとめ、年末までにワーキングペーパーを仕上げ、年度末までに海外ジャーナルに投稿したい。(3-2)については、トピックを変え解析し直したところ、初期結果は非常に良好な状況になっている。こちらは年度末までにワーキングペーパーを完成させることを目標に打ち合わせを重ねている。(4-2)の研究については、初期段階の分析結果は得られているので、夏までに詳細の追加分析を行い、秋の日本政治学会に向けてワーキングペーパーを完成させ、年度内に学術雑誌に投稿することを目標に進めていきたい。 今年度は対面での海外学会が増えてきているが、現状海外出張が厳しく諦めざるを得ないものも発生している。感染対策に気をつけつつ、可能な範囲で学会報告を重ね、同僚へも個別に論文のアドバイスをもらいつつ、研究を進めていきたいと考えている。(6)については、書籍を一緒に出版する研究者たちとの読み合わせ会を予定している。完成までしっかり推敲を重ねたい。
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Causes of Carryover |
理由は二つ挙げられる。 第一が、昨年度は対面での海外学会の参加が難しく、辞退する事態が生じたことによる。また、オンラインで開催された学会については参加したが、対面でなかったため、学会参加費以外の出張経費がかからず、思った以上に、経費を残すことができた。 第二が、リサーチアシスタントの雇用が、コロナのため制約されており、遠隔でのリサーチアシスタントの活動にとどまったことによる。したがって、進捗が想定よりはゆっくりとなり、経費も掛からなかった。今年度も依然として、リサーチアシスタントは遠隔により雇用する事態となっているが、雇用自体は可能であり、分析も進んでいるので、研究をしっかり進め完遂したい。
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Research Products
(4 results)