2021 Fiscal Year Annual Research Report
Agreements to Terminate Public Facilities in Local Governments
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18K12704
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
柳 至 立命館大学, 法学部, 准教授 (20647341)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 公共施設等統廃合 / 住民意識 / 合意形成 / 分配的公正 / 手続き的公正 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、地方自治体がどのような取り組みを行う場合に、住民の公共施設等統廃合に対する合意が実現するかを住民への意識調査を基に明らかにした。公共施設等の統廃合は、地域社会からの反発が生じるため、実現が困難な課題でもある。調査機関が実施する住民調査の結果によると、住民の意識は総論賛成、各論反対となる。公共施設等統廃合に際して、住民は公共施設等統廃合の一般的な必要性は認めつつも、具体的な施設名が俎上に載せられると、反対をする傾向がある。 本年度は、ウェブ調査を行い、地方自治体が公共施設の統廃合に際してどのような取り組みを行う場合に住民がその取り組みを公正な過程だと認識し、統廃合に合意するかを検証した。ウェブ調査内では、ランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial)を実施し、無作為に振り分けられたグループごとに、公共施設の統廃合に関する異なるシナリオを与えて、それらの違いによりどのような意識の違いが住民にもたらされるかを明らかにした。無作為に振り分けられたグループの同質性は同時に収集する被験者の属性を相互に比較することにより確認された。本調査は、2022年2月18日から25日にかけて、楽天インサイト社の登録モニターを対象として行われ、完全回答者は3505名であった。 分析の結果、必要性や効率性といった統廃合の基準の明示や、検討過程における行政と住民によるワークショップや住民アンケートによる意見反映といった要素の違いにより、住民の統廃合の過程への公正さの認識や統廃合の受容が異なることが明らかとなった。
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