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2018 Fiscal Year Research-status Report

Dilemma between finance and diplomacy in the United Kingdom in the former half of the nineteenth century

Research Project

Project/Area Number 18K12716
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

板倉 孝信  新潟大学, 経営戦略本部, 特任助教 (10755771)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywordsイギリス / 西洋史 / 政治史 / 財政史 / 財政軍事国家 / 財政硬直化 / パクスブリタニカ / ウィーン体制
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、19世紀前半の英国が債務不履行を回避しつつ、国際的優位を維持するために、財政政策と外交政策のジレンマにどのように向き合っていたのかを追跡したものである。初年度の2018年度には、8月中旬~9月初旬に約3週間にわたってロンドンに滞在し、英国図書館(British Library)と英国立公文書館(National Archives)で史料調査を実行した。前者では、ヴァンシタート(Nicholas Vansittart)やオルソープ(Viscount Althorp)などの財相経験者や、パーマストン(3rd Viscount Palmerston)やアバディーン(4th Earl of Aberdeen)などの外相経験者の書簡・手記を収集した。また後者では、前者の政治家文書を補完するため、陸・海軍費や軍拡・軍縮など軍事に関する記述部分を中心に、財務省や外務省の文書・覚書を収集した。
さらに秋・冬期には上記史料の一部を読み込んだ上で、2019年3月28日に東北学院大学主催のヨーロッパ近現代史若手研究会で研究発表を行った。この発表では、リヴァプール内閣期(1812~27年)の財政=外交ジレンマに焦点を当て、軍事費問題を中心にヴァンシタート財相とカスルレー外相およびカニング外相の関係性を洗い出した。この成果から、リヴァプール内閣期には外相が下院指導者を兼任することで財政政策にも深く関与したため、財政=外交ジレンマが明確に顕在化しなかったことを明らかにした。年度末には、この発表を論文として学術雑誌に投稿するため、研究会で指摘を受けた箇所に加筆・修正を施すなど、執筆作業を鋭意進めている段階にある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究実績の概要で進捗状況を記したように、本研究は概ね順調に進展していると言える。まず史料調査に関しては、ロンドンでの滞在期間を当初予定の2週間から3週間に延長し、2019年度の調査予定を前倒しすることで、本研究全体に必要な史料を概ね収集し終えた。また現地で収集してきた史料の読み込みも順調に進んでおり、年度末には1810~20年代の分析作業は概ね終了しているため、史料関連の進捗状況は当初の予定以上であると言える。
その一方で、成果報告に関する進捗状況は、当初予定よりもやや遅れている。1回目の研究発表は前述の通り既に済ませており、2回目の研究発表の準備も進めているが、当初予定していた1本目の論文執筆は、年度末までに加筆・修正段階に達したものの脱稿に到らなかった。以上の史料関連と成果関連の進捗状況を総合的に判断すると、両者の兼ね合いから概ね当初の予定通りであると言えよう。

Strategy for Future Research Activity

2019年度には、前年度に積み残した1本目の論文完成と雑誌投稿を最優先して行うと同時に、当初予定していた1830年代の英国における財政=外交ジレンマに関する研究に着手する。史料調査に関しては、前年度のロンドン滞在延長によって2019年度分も終了させたため、早稲田大学図書館の電子資料や古文書を収集することで、入手済史料を補完するに留める。一方の成果報告に関しては、日本政治学会での研究発表とバーミンガム大学の学術雑誌への論文投稿を既に予定しており、1830年代に関する研究発表と論文執筆を2019年度中に完了することを目標とする。
さらに2020年度には、1840年代の英国における財政=外交ジレンマに関する研究を進める。史料調査に関しては、当該年度が最終年度であることを考慮し、必要に応じてロンドンに短期滞在した上で、不足史料を収集することも検討している。また成果報告に関しても同様に、1830年代に関する研究発表と論文執筆を2020年度中に完了すると共に、単著出版に向けた準備作業に着手する。

Causes of Carryover

2018年度には、ロンドン滞在期間を当初予定の2週間から3週間に延長したため、40万円分の前倒し支払請求を申請して承認された結果、次年度使用額が約7万円残った。これに伴って、2019年度の配分予定額は当初より40万円減額されることになったため、次年度使用額の残金は比較的少額であるが、その減額分に充当する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] リヴァプール内閣期における英国の財政=外交ジレンマ2019

    • Author(s)
      板倉孝信
    • Organizer
      2018年度 ヨーロッパ近現代史若手研究会
    • Invited

URL: 

Published: 2019-12-27  

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